郵趣サービス社よ、アラブ土侯国切手を堂々と売れ

さて先日届いていたスタンプマガジンの9月号をようやく開封したわけなのですが、なんと今回はジャポニカ切手の一環として、ラアス・アル=ハイマやシャールジャの切手が案内されているのですよ。アラブ土侯国切手を販売とは素晴らしい!と思っていたのですが、そこには何やら言い訳めいた注意書きが書かれているわけで…。

土侯国切手は当社では本来取り扱わないことになっている切手でございますが、熱心な販売のご要望を数多くいただき、入荷の機会もございましたため、特別にご案内しております。また、裏面に指紋のあるものが含まれる場合がございます。あらかじめご了承ください。(p.35より引用)

てな感じでね。うーん、なんとも微妙な注意書きですね。

そもそも切手商がどのような切手を売るのかはその切手商の勝手なので、郵趣サービス社がアラブ土侯国切手を売ろうが売るまいが、どうでもいいことですし、その判断理由に文句を言われる筋合いはありません。しかし取り扱わないことにした経緯には興味があります。

郵趣家向けの切手だから、発行国に関係ない図柄だから、実際の郵便量に比べて大量に印刷されているから、などと言った理由で郵趣家から『黒い切手』としてアラブ土侯国切手が忌避された時代はたしかにあり(今もですが)、その時代に決めた排除ルールを未だに引きずっているのかも知れません。しかし、同じような切手は21世紀の現在も未だに発行されており、同じスタンプマガジン9月号でも堂々と売っています。つまり、『黒い切手』だからというのはもはや取り扱わない理由にはならないのです。

アラブ土侯国切手は状態が悪いものが多いから取り扱わないという理由かもしれません。確かに正直言って状態が悪い切手が多いと私も思いますが、しかしそれならば今回のように例えば「裏面に指紋のあるものが含まれる場合がございます」などと注意書きを書いておけばいいのです。そのほか、郵趣サービス社では中国切手の切手帳などについて「中国の郵趣品は全体的に装丁の作りがあまく、仕上がりに粗さがございます」とか書いて売っているのですから、きちんと書けばそれで済む問題だと思われます。

それより以前に同誌で売っていたソ○○ア名義の切手(?)とか、第三国経由で輸入したからセーフなどと言って売っていた最近の北○○の切手のほうがよっぽどやばい気がするのですが、まあ後者に関しては売ってくれるとありがたい郵趣家もいると思われるので何も言いませんよ、ええ。