南スーダンの加刷切手とエラー

アフリカの南スーダンが独立してから、きょう9日でちょうど10周年となります。この10年間、切手は加刷を含めても50種類も発行されていないはずです(加刷のバリエーションをどこまで細かく数えるかによって若干の数の変動はありますが)。他国との共同発行計画の話が持ち上がっても実現せず、2020年のアフリカ諸国による、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の切手発行プロジェクトが唯一の実現例と言えるでしょう。

2011年の第1号切手から基本的にプリンターは中国、加刷はウガンダで行われているそうです。2020年のCOVID-19切手はリトアニアによるエージェントが絡んでいると個人的には睨んでいますが、関係者はことごとく否定しているのでもう一捻りしているのでしょう。いずれにせよ切手そのものの質はそこまで悪くないです。しかし加刷に関しては残念ながらバラつきが見え、さらにはエラー切手もある程度は市場に出回っています。

その加刷切手の一端をご紹介しましょう。これが大元になった切手で、2011年に発行されました。正真正銘、スコット番号1です。

そしてこれは2017年に発行されたもので、元の額面1SSP(南スーダン・ポンド)を消して新しい額面が付け加えられていますね。この時点ですでに100SSPが2種類あるのがもう、嫌ですよね。

ところがこういうのがあります。額面を消したけど新額面がない。抹消線は加刷したものの、新額面の加刷を忘れてしまったパターンです。

さらにこういうのもあります。額面を消しそこねて旧額面と新額面が一緒に書かれてしまっています。どっちが正解なんだよ! よく見ると抹消線が左下にあり、おそらく天地逆にして抹消線を印字してしまったことが推測されます。

これらエラー切手は実はそこまで高くありません。通常の切手と比べて1.5~2倍程度ではないでしょうか。このへんの値段の付け方もね…まあ、色々とあります。