8日午後にイギリスのエリザベス女王が崩御されました。まことに痛恨の極みであり、謹んでお悔やみを申し上げます。
イギリスの普通切手には女王陛下の肖像が描かれており、1967年以降はマーチン切手と呼ばれるシリーズが55年間の長きにわたり続きましたが恐らく終了し、いずれ新国王・チャールズ3世の肖像が普通切手に登場することになるのでしょう。それは予想がつくのですが、以前にもご紹介したように、イギリスの普通切手は2023年2月よりバーコード付きのものに完全に移行し、現在のものは使えなくなります。既に新しいバーコード付きマーチン切手は発売されており、ロイヤルメール(イギリス郵政)は従来のマーチン切手からの交換も受け付けているところなのですが、新国王即位に伴う切手の切り替えも同時に発生するであろうことから、今のマーチン切手がいつまで販売されるのかも気になるところです。もちろん切手そのものが無効になることはないでしょう。
また特殊切手に入れられる国王の横顔も変更されると思われるほか、一部のイギリス連邦諸国が発行する切手に入れられている『EIIR』のマークも変わるものと思われます。EIIRとは”Elizabeth II Regina”の略で、エリザベス女王を指し示します。このように今年から来年以降にかけていろいろな変更が行われるものと思われます。
さて、エリザベス女王にちなむ郵便物をご紹介します。これはエリザベス女王宛に送った手紙に対する英王室からの返事の郵便です。
今年(2022年)2月にイギリスのロンドンで2年越しの国際切手展が開催されました。実は私は渡英して参観するつもりでいたのですが、しかし当時は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止を目的に日本政府は厳しい水際対策を行っており、海外から日本に帰国した際の待機期間が長く、宮仕えの身としては非常にハードルの高いものだったため最終的には泣く泣く断念せざるを得なくなったのですが、これで終わるのも無念なのでエリザベス女王に手紙を書くことを思いつき、国際展の観覧は断念するということ、いずれ別の機会に訪英したいということなどを認めて送りました。
英王室では女王宛の手紙について送り方をウェブサイトで公開しており、もちろん女王陛下がご自身で読んだり返事を書いたりすることはないでしょうが、ちゃんと英王室内にある専門チームが中身を確認し、返事を送ってくれます。私の手紙に対しても3月に御返事をいただき、そこには「女王陛下は汝の切手に関する話題について興味をお示しになられました」というようなことが書かれてありました。
次のロンドンでの国際切手展がいつの開催になるのか公式の発表はまだありませんが、その時は何とか渡英したいところではあります。