日本郵便、コミケ93参加決定

近日中に日本郵便よりプレスリリースがあると思いますが、既にコミックマーケット(通称コミケ)のカタログに記載があるので正式発表としてよいと思います。12月29日から31日にかけて東京ビッグサイトにて開催されるコミックマーケット93の企業ブースに日本郵便が出展することとなりました。企業名は『郵便局物販ブース』で、ブース番号は1431です(画像は夏のコミケ出展の様子)。

日本郵便は約5~6年前からコミケに出展するようになりました。そこではアニメ・マンガのフレーム切手や各種グッズを販売しています。今では社内にプロジェクトチームを組んで月1回の商品開発会議を行い、夏冬のコミケに臨んでいるそうです。

コミケは3日間でのべ50万人もの参加者を数える同人誌即売会です。その全てが買い物目的というわけではありませんが、しかしアニメやマンガのファンが大量に訪れるイベントであるため、こうしたフレーム切手の購買が期待できるのは当然のことです。しかし、日本郵便にとって最も重要なのは「私たちはいわゆる『オタク向け』の商品も取り揃えていますよ」とアピールできる点でしょう。

ここ数年でアニメやマンガのフレーム切手が数多く企画され、郵便局や日本郵便の通販サイトにて販売されていることはご存知のことと思います。郵政民営化を経て一部上場を果たした日本郵政が利益を追求するため様々な商品開発を行うのは当然のことです。しかし、買ってもらわねば意味がありません。それ以前の問題として、日本郵便がこうした商品を開発し販売していると認識してもらう必要があります。

コミケ3日間の切手の物販だけで利益が出せるかは甚だ疑問です。ブース代に含めてブースの設営などにも費用がかかるからです。総額でも数百万円単位になるであろう出展費用を1枚2~3,000円程度のフレーム切手を売ってペイさせるというのは至難の業です。参加者数の多いコミケをプロモーションの場として割り切り、より多く郵便局や通販サイトで切手を買ってもらえるよう誘導するのはまっとうな施策といえましょう。

しかし日本郵便のコミケ参加について、郵趣家の間での認知度はあまり高くはないのではないでしょうか。ましてや、現地に足を運んでみたという方がどのくらいいらっしゃるか? 日本郵便がブースという形で店を構えるイベントの中で、コミケは恐らく最大級の参加者数を誇るものであるにもかかわらず、です。売っているのは基本的にフレーム切手、記念押印も小型印もなし、これでは郵趣家の興味を引くのは難しいかもしれません。しかし、日本郵便がコミケという戦いの場で奮闘しているという事実だけは認識してもよいのではないかと思います。

なお、コミケの日本郵便のブースに行きたいという方は、初日の12月29日は回避されることをお薦めします。12月30日、31日のほうが人数が若干すいているからです(それでも相当な参加者数ではありますが)。その他、大変多くの方々が参加するイベントなので約束事も色々と定められています。コミケについての詳細な情報は、公式サイトや公式カタログを参照してください。