私の切手収集の方針

私が小学生の頃、近所の古本屋で見つけた切手収集の本にこんなことが書いてありました。

「世界中の切手を片っ端から何でも集めるというのがゼネラル・コレクションである。どんなお金持ちでさえ、世界中の切手をすべて集めることはできない。しかし、世界中の切手について理解を深めることができる。気に入った国ができれば、そこに力を注げばよい」

当時の本はもはや所持していないので、あくまで大意ですが、おおよそこんなことが書いてありました。当時、切手を集め始めた頃だったため「そういうものかね」と子供心に思ったものです。その後、切手収集は度重なる中断を経て、リセットに近い憂き目を経験したこともあり、しばらくすると収集を再開させてみたり。気がつけば昭和時代はおろか20世紀すら遠くになりにけり。今(2017年)はちょうど収集熱が高いターンの時期らしく、細々と集めています。

時間は経過し風貌は変わったものの、変わらないことが二点あります。まず、未だにゼネラル・コレクションを続けているということ。もちろん好きな国・地域やジャンルがないわけではないんですが、全世界を相手にするという無謀な試みは未だに続いています。

もう一つ変わらない点が、数集まることの喜びです。郵趣家の皆さん、切手を集め始めた頃のことを思い出してみてください。一つでも多く集まることに無類の喜びを感じていませんでしたか? 次の切手発売日が何より待ち遠しいという気持ちがありませんでしたか? 私の場合は未だにそういう感覚があるんです。ほぼ毎週のように新切手が発行されるようになった21世紀になってもです。こういうのをアキュームレーターと呼ぶ向きもあるそうですが、上等、上等。

最近になってようやく自分なりのルールのようなものを作りました。未使用切手に限定して集めていこうと(この方針は小学生時代からなので、今さらの「明文化」なのですが)。ここで、人によっては(同一の単片を収録する)小型シート、オーダーキャンセル、それに切手ペーンとかはどうすると問題になるわけですが、そこは可能な限り集める努力目標にとどめて、わざわざ入手しない。カラーマークとか、使用済みとか、カバー類とか、ステーショナリー類は、とりあえず除外。とても気に入ればもちろん持っておくわけですが。そりゃあ切手展への出品やら、コレクションの質を考えればカバー類などは必須でしょう。でも、私が目指してるのはそういうところではないんですね。もちろん切手展を目指すというのは素晴らしい目標です。私も切手展で出品物を拝見させていただいて、いつも感動とやる気をもらっています。ありがとうございます。

そしてもう一つ、重要な方針があります。海外の切手発行エージェントに発行権利を渡して作られた切手だろうが、国際的には認められていないが事実上独立した地域の切手だろうが、亡命政府の切手だろうが、とにかく「売れれば切手名義の国家、郵政事業体、あるいは国家に準ずる存在に収入が入る」のであれば、一応は切手として有効だという根拠になると見做して、収集の対象としています。国際郵趣連盟(FIP)の考え方からすれば大変によろしくない切手なのでしょうが、それはそれ。

ダメなのは違法切手(illegal stamps)。これは勝手に国家の名を騙っているだけですからね、売れてもその国には鐚一文入りません。

こういうコレクションもあっていいと思うのです。コレクションは本来自由であるべきです。ゼネラルをやるのは個人の自由、範囲を決めるのも個人の自由、始めるのもやめるのも個人の自由。FIPやら何やらにあれこれ言われる筋合いのあるものではありません。

冒頭で紹介した本にはこうも書いてありました。「日本ではゼネラル・コレクションに力を入れている人は少ない。だから所有する切手が10万種を超えているという人は大変珍しく、2~3万種というのが普通」…その本が発行されたのは、今までに全世界で発行された切手が全部で25万種とか、30万種とか、そういう時代でした。今はスコットカタログ収録分だけで70万種を超えているはずです。当時に比べれば切手の件数は格段に増えており、それに伴ってコレクターの所有する切手の種類はさらに増えていると思います。が、それでも所有切手が20万種超えてるコレクターはかなりのものだと思います。カウント方法にもよりますけどね。

地道に未使用切手を集めていって、最後はどこまで行くものかなぁと思っています。だから、以前から郵趣界の一部から批判の対象とされている、いわゆる『切手発行の乱発』も問題はないという立場をとっています。2016年の日本切手は単片ベースで600種類を超えましたが、別に1年間1,000種類でも2,000種類でもいいと思っています。順当に買っていけば、それだけ自分の持ってる切手の種類が増えるわけですからね。それも、売っているのは自分が住んでる国の郵便局ですからね! 最も買いやすい存在なわけです。ゼネラルコレクターにとって、こんなに素晴らしい環境があるでしょうか。

長くなってしまい申し訳ありません。とにかく、このウェブログはそういう考えの人が書いています。

Yamazaki