あまり報道されることはありませんが、日本の郵趣家としてちょっと気に留めておいてもいいかなという話題。9日よりコートジボワールの首都アビジャンにて万国郵便連合(UPU)の第27回万国郵便大会議がはじまり、そこで行われる国際事務局長選挙に日本人が立候補しています。
日本政府が擁立した目時政彦(めとき・まさひこ)氏は現在、日本郵便株式会社の執行役員。1983年に東京大学を卒業後、郵政省に入省し、以降は主に国際郵便分野で活躍されています。UPUでは、2012年に郵便業務理事会(POC)議長に就任し、2016年に再選。本来ならば第27回会議は2020年に行われる予定でしたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行により1年延期され、いよいよこの8月に開催されたというわけです。
現在、主要な国際機関のトップに日本人が一人もいないことが日本政府の課題となっており、国際機関における幹部ポストを獲得するための省庁連絡会議が発足しています。今回、目時氏がUPU事務局長選挙に当選するか否かは郵政関係者だけでなく、日本政府としても要注目の事案なのです。
現在の事務局長であるケニアのビシャール・アブディラフマン・フセイン(Bishar Abdirahman Hussein)氏が就任した2012年以降、トランプ米大統領がUPUを脱退すると脅してみたり、COVID-19の大流行で世界的に郵便が混乱したりと、UPUにとっては試練の時代となりました。今回、目時氏の他にはスイス、ベルギーの候補者が局長の座を争っていますが、誰が当選されるにせよ、郵便制度にとってもう少し平和な時代になればいいと思います。第27回会議は8月27日まで開催される予定です。
総務省:目時政彦(めときまさひこ)日本郵便株式会社執行役員の万国郵便連合(UPU)国際事務局長選挙への立候補の公式表明
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu15_02000033.html
産経新聞:国際機関ポスト獲得戦略的に 政府が取り組み強化 中国巻き返しへ
https://www.sankei.com/politics/news/210508/plt2105080011-n1.html
産経新聞:【主張】国際機関トップ 日本人を送り込む戦略を
https://www.sankei.com/world/news/210520/wor2105200003-n1.html