アフガニスタンはアメリカ軍の後ろ盾を失ってわずか3カ月半で政権が崩壊し、再びターリバーンが支配することになりそうです。アメリカが20年という時間とべらぼうなカネをかけてアフガン軍を育てたにもかかわらず、こんなに早く敗走するとはさすがに思っていなかったでしょう。
さて、アフガニスタン切手と言って個人的に思い出すのがこれです。確か3~4年ほど前にスタンプマガジンにて販売されていた代物です。
一見するとアフガニスタンより2004年に発行されたこの切手がなぜ印象的なのかと言うと、詳細不明として販売されていたからです。現在アフガン郵政に詳細を問い合わせ中との注意書きとともに4枚セットで売られていたのです。スタンプマガジンがbogusの可能性をわざわざ明記して切手を発売するという、なかなか興味深い例なのです。その後、続報があったのかは不明ですが、2007年にはアフガニスタン郵政が違法切手であると宣言したとの情報もあります。が、今回の政権崩壊でアフガン郵政に対する問い合わせももはや不可能でしょう。
結局、これは無効なのか? 最新版のスコットやミッヘルカタログには掲載されていませんが、先述のアフガニスタン郵政の宣言にも関わらずイベールには掲載されています (No. 1604-1607)。違法切手対策として始まったWADPナンバリングシステムには掲載されていません。一方でWADPナンバリングシステムに載っているのにスコットカタログには載っていないアフガニスタンの切手もあります。
ちなみに後日、期せずしてCTOも4枚セットを入手しました。確か、これはアシェット・コレクションズ・ジャパンの『世界の切手コレクション』にて入手したはずです。
アフガニスタンはここ10年ほどは、1年に1~3種の新切手を発行しているそうです(2013~2016、2020年は発行なし)。今年(2021年)6月には中村哲医師の切手が発行されています。今回ご紹介した切手は違法切手の疑惑はイベールカタログへの掲載でかろうじて晴れていますが、アフガニスタン名義の違法切手も多く出回っているので、集める場合には注意が必要です。違法切手かどうかパッと見だとわからないので厄介なのですよ。
Afghanistan stamps 2021 – Tetsu Nakamura
https://bittergrounds.com/afghanistan-stamps-2021-tetsu-nakamura/