100年前のオーストリア切手

昨年の切手催事で手に入れたオーストリア切手のバインダーコレクションの1ページ目に入っていた切手です。スコットカタログによれば、これは同国初の寄附金付切手で、1914年発行だそうです(当時はオーストリア帝国で、ハンガリー帝国との同君連合)。100年以上前の代物です。しかしお値段は全然高くありません。2009年版スコットカタログではヒンジ跡なしの2種揃で2.25ドルと書いてあります。250円弱の評価です。

実際にはこの後に何十ページものリーフがあり、1970年代後半の切手まで入っています。もちろん全部揃っているわけではありません。そこまで入って3,000円でした。

昔からの家にでも住んでいない限り、日常生活の中で100年以上前のモノを持つ機会というのはそれほどありません。しかもそれを含む、不完全とはいえ半世紀以上に及ぶ一国の歩みがたった3,000円で買えてしまう。これは言語道断なことです。切手収集の魅力の一つです。

100年前の切手が今に残っているということは、100年もの間、適切に保存されてきたということなのですよ。所持者は何回も代わったことでしょう。切手の保存は大変難しい。だからこれは奇跡なんです。

主を失い適切な保管を受けられなくなり、ダメになっていった郵趣コレクションのいかに多いことか!

来週金曜日から始まるスタンプショウ2018でも切手商ブースにて様々なバインダーコレクションが並ぶでしょう。今からとても楽しみです。