Herrick Stampが新切手部門を閉鎖

アメリカ合衆国の切手商『ヘリック・スタンプ・カンパニー』(Herrick Stamp Company)が5月をもって新切手販売を終了してしまいました。これは痛い!

1946年創業の同社は1957年3月6日発行のガーナ一番切手以降、世界の新切手をほぼカバーして販売するようになりました。新切手の注文は5月16日で締め切られ、5月26日をもって新切手部門は閉鎖されましたが、人員の確保が難しいというのが継続断念の理由のようです。

考えてみれば半世紀前に比べて切手の発行件数は増えているわけで、それらをカバーしようっていうのが無茶な話なのはわかります。在庫の管理も相当大変だったはずです。私も何度か注文しましたが、注文が通って決済も済んだ後に在庫切れで返金というパターンが何回かありました。注文が殺到して売り切れるようなことがない切手で、ですよ。それでも粘り強く入荷を試みてくれたりと、色々重宝する切手商でした。感謝しかありません。

最新切手を入手する有力な手段が一つなくなるのは私にとって痛手です。切手代理発行エージェントによる切手ならそちらから買えばいいわけで、最近は欧州各国の新切手を額面価格で買えるWOPAみたいなサイトもあり、それがダメならebayかDelcampeか、という時代になりました。しかし、それでもなお入手しにくい切手はあるわけで、色々後から響いてくるんじゃないかと懸念しています。

というわけで4月下旬に最後の注文をさせていだきました。その時に購入した切手は、またご紹介する機会があると思います。なお同社は新切手だけでなく切手コレクション販売も行っており、そちらは継続されるようです。

HERRICK Stamp Company
https://www.herrickstamp.com/

Herrick to close new-issue services department
(Linn’s Stamp News、2022/5/15)
https://www.linns.com/news/world-stamps-postal-history/herrick-to-close-new-issue-services-department

さてスイスのルガーノで開催されていた国際切手展『HELVETIA 2022』は22日に終了し、現地に赴かれた吉田敬日本代表コミッショナー、並びに日本人による切手出品作品も無事に帰国の途につきました。コロナ禍に軍事侵略の影響で飛行機に乗るのも一苦労だったようです。このほか収支報告書が掲載されており、どこにお金がかかっているのかがわかります。多額のお金が動いていることもあり、会計の透明性は非常に重要です。

[HELVETIA 2022] ニュースレター(29-30、30添付資料)