ウクライナ東部にあるドンバス地方の一部であるドネツィク州は2014年から一部が親ロシア派の支配下に置かれ、ドネツク人民共和国と自称しているのは既に何度か取り上げている通りです。2022年2月に始まるウクライナ戦争で州の全土がロシア軍に占領されましたが、6月後半以降は前線にほぼ動きがなく膠着状態にあります。しかしウクライナ軍は攻勢を強めており、9月14日にはウクライナのゼレンスキー大統領が隣接するハルキウ州を訪問した上で、同州をほぼ解放したと宣言しました。とはいえロシアもドンバス地方は死守したいようで、今後さらなる戦闘の激化が懸念されるところです。
これは2020年1月22日にウクライナが発行した『ドネツク空港の戦い5周年』切手です。
ドネツク国際空港を巡るこの紛争は2014年から2015年にかけてニ度にわたって続き、最終的にウクライナはこの戦いには勝つことはできず2015年1月22日に空港から撤退、今もドネツク人民共和国の支配下にあります。ウクライナにとっては敗北した戦いですが、この紛争を戦ったウクライナ軍兵士はサイボーグと呼ばれ、その献身的な戦いが英雄視されています。この切手もそういう文脈の上で理解するべきでしょう。