今年(2022年)はあと1カ月半ですが、年内に発行される日本切手は既に詳細が発表されています。2022年に発行される日本切手は全部で405種類で、ここ数年は年間600種類前後で推移してきたことを考えると今年は例年の約3分の2、しかも今年はカルトール社の受注件数がゼロ件でした。これについては詳細を別の機会に書こうかと思います。
今年は新たに始まるシリーズが登場しなかったことは、既に昨年末に特殊切手発行計画が発表された時点で当ウェブログでも指摘しましたが、これも発行種類が激減した要因の一つとなっています。来月中旬以降に発表されると思われる2023(令和5)年度の発行計画ではこのあたりが注目ポイントとなるでしょう。
日本ではかねてから、若者の新規の切手収集家が増えないのは新切手の種類が増えすぎたからだという根拠不明な説がまかり通ってきた感がありますが、では今回のように切手の種類が大幅に減ったら収集家の数は若干でも増えるのでしょうか? 少なくとも私には大いに疑問です。若年層の収集家が増えない理由を安易に外部要因に求めるのではなく、新規収集家を獲得する体制があまりに貧弱であるという現状を直視し本気で改善していかない限り、このような状況は続くでしょう。
常に情報はアップデートしないといけません。日本切手の発行開始から今年で151年ですが、その中間地点はというと1946年、ちょうど日本郵趣協会が設立された頃です。日本切手の歴史の半分以上はもう戦後の話なのです。あと30年もすれば、戦後の切手ブームがちょうど中間地点に来ます。30年後の郵趣家の数を悲観的に考える方が多いですが、そのくらい遠い昔と同じ方法で、切手収集を楽しむ人口が維持できているわけがないのです。現行の切手を集めている収集家は現行の切手の良さを世間にどんどんアピールしていくべきなのでしょう。2023年も国内だけでなく、世界に注目されるような切手が発行されることを今から楽しみにしています。