2月の音楽切手は日本切手のパラダイムシフトだ

6日に日本郵便ニュースリリースで新切手のヤバげな詳細が発表されました。2月15日に発売予定の『音楽でありがとうを伝える切手』と『音楽でありがとうを伝える切手 レターセット』です。あまりにヤバすぎてネットニュースでも取り上げられていました。

グリーティング切手「音楽でありがとうを伝える切手」の発行および販売品「音楽でありがとうを伝える切手 レターセット」の発売
(日本郵便ニュースリリース、2023/1/6)
https://www.post.japanpost.jp/notification/pressrelease/2023/00_honsha/0106_01.html

切手上部をペロっとめくって現れるQRコードから、音楽ストリーミングサービス・Spotifyで音楽が聞けるという代物です(画像はいずれも日本郵便ニュースリリースより)。ミシン目が入っているところを見ると、QRコードのある切手上部は切手として有効な部分ではないのでしょう。なので微妙ではあるのですが、これが日本で初めてQRコードが使用された切手ということになるのでしょうか。昨今の切手シートには会計用のQRコードが印刷されていますが、あれは耳紙部分なので切手部分とはいえません。

今回のこのQRコードは、ミシン目で切り取らずに送らないと『「音楽でありがとうを伝える』という切手の趣旨が達成できないため、その重要性は言うまでもありません。そして値段。84円切手が3枚で500円です。もちろん切り取る仕掛けや音楽にコストがかかっているんでしょう。

すでにご紹介したように令和5(2023)年度特殊切手発行計画では発行件数が大幅に減り、2023年は恐らくここ数年と比べれば半減に近い300種類台になるのではないかと思われます。しかしこれは、量より質への転換を意味しているのかもしれません(従来の切手の質が悪いとは思っていませんが)。日本切手にパラダイムシフトが到来するのかもしれません。

厳密には今回の音楽切手は令和4年度発行分なので微妙に期間は重なってはいませんが、実はこれは当初の発行計画にはなく、昨年11月に予定に追加された切手です。そして3月15日には同じく追加分の『切手趣味への招待』が発行を予定していますが、日本切手の題材としては新しく、こちらもなにか仕掛けを用意しているのかもしれません。

さて、昨年10月に日本郵便が切手画像を使用したNFTアートをRakuten NFTで販売したことをご記憶の方もいらっしゃるでしょう。ところでNFT画像や動画が付随した切手、いわゆるクリプト切手を発行する国は2019年以降、着々と増えており、高めの値段設定にも関わらず相変わらず順調に売れているようです。日本郵便がNFT画像を単独で販売した実績がある以上、これを切手に付随させればあっという間にクリプト切手の完成です。今回の日本切手のパラダイムシフトの先にあるもの、それはクリプト切手なのです。

日本切手の変化には常に注目していなければなりません。今回の音楽切手だってスマホすら使えない御老体にはチンプンカンプンでしょうが、もはや日本郵便はそうしたことは気にしない方向に舵を切りました(大丈夫、切手そのものを見て楽しむことは従来どおり可能です)。もはや従来の常識は通用しないのです。クリプト切手の販売により日本切手は世界最先端の潮流に乗り、新たな段階を迎えるでしょう。信じるか信じないかはあなた次第です!(←久々)