アルメニアのナゴルノ・カラバフ紛争切手

2年半前にアルメニアとアゼルバイジャン間で大規模な紛争が発生したナゴルノ・カラバフですが、その後も幾度となく軍事衝突が発生しています。今年(2023年)に入っても相変わらず小競り合いは続いているようで、25日にはアゼルバイジャンの部隊が境界を越えたとしてロシア国防省が同国を批判しました。さすがウクライナとの国境を超えまくっている国が言うと説得力が違います。

そのロシアはアルメニアの後ろ盾となっていますが、ご承知の通りウクライナへの軍事侵略が泥沼にはまり、もうナゴルノ・カラバフに戦力を仕向ける余裕がありません。一方のアゼルバイジャンは豊富な資源を背景に活況を呈しており、両国の優勢はすっかり逆転。アルメニアはいずれナゴルノ・カラバフの実効支配を諦めることになるのでしょう。

さて、これはそんなアルメニアが2020年紛争直後の12月22日に発行した軍人保険財団の切手です。アルツァフ(=アルメニア側のナゴルノ・カラバフの呼称)の風景や著名人の彫像が描かれているもので、この小型シートには7種の切手が収められており、最下部は切手ではなくタブです。7種の切手はそれぞれのシート(10枚シート)も発売されており、そちらにはまた別のタブが存在します。

なおタブ部分に書かれている数字は財団への寄附金です。そこに書かれている『私の名はアルツァフ。我々は勝つ!』というスローガンが虚しく見えます。