エリザベス2世最後の切手はスコットランド関連

今年(2023年)3月9日、イギリス郵政よりロンドンとエディンバラを結ぶ急行列車の切手が発行されました。愛称は『フライング・スコッツマン』。

この路線運行が開始したのは1862年ですが、1921年鉄道法によりイギリス国内の私鉄が4つに統合され、そのうち東海岸地域を走るロンドン・ノースイースタン鉄道(LNER)が発足した1923年より『フライング・スコッツマン』という名称が使われるようになりました。それから100年が経過したことを祝う切手です。

この切手にはもう一つの大きな意味があります。つまりエリザベス2世の肖像が使われるイギリス発行の特殊切手はこれが最後なのです。以降はチャールズ3世の肖像が国名代わりにイギリス切手に使われることとなります。

ところでエディンバラはスコットランドの首都です。スコットランドはイギリスからの分離独立を目指す動きがありますが、それでもエリザベス2世は敬愛されており、独立を問う住民投票時(2014年)には当時の独立派の自治政府首相が、仮に独立しても引き続きエリザベス2世を元首とすると表明していました。そしてエリザベス2世が崩御されたのはスコットランドにあるバルモラル城でした。そんなエリザベス2世の肖像が使われる最後の切手が『空飛ぶスコットランド人』の切手だったというのは、出来すぎといえば出来すぎな話ではあります。