イラク戦争で首都バグダードが事実上陥落してから9日でちょうど20年を迎えました。反米を掲げたサッダーム・フセイン政権が倒れて20年、イラクはアメリカとの関係を維持していますが、しかしアメリカはイラクの安定化に苦労させられてきました。そのアメリカに代わって存在感を増しているのが中国です。これは2008年10月28日にイラクが発行した中国との外交関係樹立50周年を記念した切手です。両国の国旗が真ん中で一つに結び付けられています。
イラクと中国は経済的な面で関係が深まっています。中国はイラクの石油開発や建設プロジェクトに参加し、イラクは中国が主導する一帯一路構想に参加しています。イラクは中国との経済関係を深めることで、国内の経済再建を目指しています。中国そのものは対外投資を縮小しているにも関わらず、重点を中東へシフトしていることもあり、対イラク投資は拡大しています。
最近ではイランとサウジアラビアの協議を仲立ちし、最終的は中国の仲介した形で両国は国交正常化が発表されました。イラクに限らず中国の影響力が大きくなっている中東。日本は重要なエネルギー供給源でもある中東諸国とは良好な関係を維持しようと務めてきたこともあり、今後とも目が離せない地域ではあります。