ルガンスクのロシア軍切手

今年(2023年)8月11-15日に台湾・台北にて開催された国際切手展『TAIPEI 2023』(第39回アジア展)の観覧にでかけた理由のひとつに、日本国内での切手展に併設された切手商ブースや切手即売会ではまず出会えないような切手商に出会いたいというのがありました。日本国内の切手商はよくも悪くも常識的なお店ばかりなので(当たり前なのですが)、常識にとらわれないというか、イカれた切手商を求めていたのです(表現が適切でないかもしれません)。

そういった意味で、今回の台北国際切手展の中であらかじめ目をつけていたのはタジキスタンからいらっしゃるという切手商でした。ブースの名前にもなっている、この方の名前でウェブ検索をしてみると、どうも本来はロシアの切手商のグループに入っていたようなのです。

ウクライナへの侵略戦争が長引き、西側諸国との対立が続くロシアと関係の深いタジキスタンの方が台北の国際切手展にブースを構えるということだけでも驚きだったのです。もっとも、切手展の開催は当初2020年だったので、申し込み時には問題にならなかったのかもしれません。

さて切手展初日、この方のブースに行ってみるとブースの名前はそのものズバリ、TAJIKISTAN(タジキスタン)と書かれていました。ブースには主のオヤジと、この写真には写っていませんがもう一人、若いアジア系のお兄さんがいらっしゃいました。若い店員はおそらく地元・台湾の方なのではないかと思います。見せてくれる切手が国際的には未承認のアブハジアであったり、ロシアが国際法を無視し占領しているウクライナ東部のドネツク、ルガンスク人民共和国のものであったりと、これはなかなか期待できるなというのが私の第一印象でした。

特にドネツクとルガンスクの切手についてはもともと入手がそこまで簡単なものではなく、特に2022年にウクライナ侵略戦争が勃発してから発行された切手はかなり入手が難しいものとなっています。日本に切手を送る方法はまだ何とかあるのでしょうが、しかし最もネックになるのはやはり決済の方法です。ロシア方面に対してもはや国際的な決済手段はほぼ使えませんし、銀行への振込もなかなか難しいものがあります。そもそも日本に対して切手を販売するためのプラットフォームはロシア関連のアカウントがBANされている状態ですので、こうやって実際にモノを持ってきてもらわないと、なかなか買うことができないのです。

これはこのブースで購入したのルガンスクの切手で、真ん中の切手にロシア軍を意味する『Z』の文字が書かれています。2022年4月2日に3,000枚限定で発行されたらしいのですが、そもそもドネツクとルガンスクの切手は国際的には非公式なものなので、本当にこういう切手が発行されたのかどうかというのはいまいちよくわからず、ロシア語によるブログを参照するしかない状況です。あくまで国際的には単なるラベルですがしかし私にとっては大変貴重なものです。

ファイルに入っているだけで値段は書いておらず、そもそも売り物なのかどうかもわからなかったのですが、お兄さんがこの切手は売っていいのか、値段はいくらなのかとオヤジに訊いてくれて、無事に購入することができました。実のところ、これが今回の切手商ブースでの最大の収穫だったかもしれません。この切手を見せてくれたお兄さんには、こういうのってなかなか手に入らないんですよね〜と語りかけたところ、分かります、分かりますと向こうも同意されたようでした。

このブースからはまだまだ買っているのですが、だいぶ記事が長くなりましたので改めてご紹介することにしましょう。