とうとう10月ですが、しかし今年(2023年)8月11-15日に台湾・台北で開催された国際切手展『TAIPEI 2023』(第39回アジア展)の話題はまだまだあるのです。もちろんこの1カ月半、それだけを取り上げてきたわけではないのですが、現地ではせっかく台湾に来たのだからと、ネタの収集に努めたのは事実です。というわけでTAIPEI 2023の話題。先日より中華郵政(台湾郵政)が発行した切手展の記念切手をご紹介していますが、初日の8月11日発行分は9月中に全てご紹介しました。ここからは2日目の8月12日発行分です。
切手展4日目のテーマは『雋永藝文日』(Art Day)、芸術と文化の日ということで、台湾で有名な作家、余光中(1928-2017)と許地山(1894-1941)による文学作品の一場面を描写した切手が8月12日に発行されています。
8元切手は余光中の『車過枋寮』より。本作では台湾を代表する作物であるサトウキビとバナナが描写されており、このため8元切手にも両方が描かれています。
そして28元切手は許地山の『落花生』が題材です。父親が子供に対して、人間はピーナッツのようであるべきと述べる場面があります。面白い比喩に思えます。人間は役に立つべきであり、偉大であったり格好良くあるべきではない。ピーナッツもまた役に立つものであるが偉大ではなく、美しいわけでもない。だからピーナッツのようであるべきなのだというのがその趣旨で、そもそも許地山自身が落花生という筆名を持っていたのだそうです。故に28元切手にはピーナッツが描かれているのです。