未だ数少ないパレスチナ連携切手

アメリカ合衆国を訪問しているイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が24日に連邦議会にて演説を行いました。パレスチナのガザ地区における軍事行動への支持を訴えましたが40人近い民主党議員が欠席し、パレスチナ系アメリカ人の下院議員は議場内で抗議するプラカードを掲げ、外では数千人規模の抗議活動が行われました。まあネタニヤフのやっていることは明らかにパレスチナ人の絶滅なので、そういう反応も宜なるかなといったところですが。

イスラエルの首相が米連邦議会で演説、議事堂内外や本国で抗議
(BBC英国放送協会、2024/7/25)
https://www.bbc.com/japanese/articles/ck7gpz8zxyno

これは昨年(2023年)にギニア名義で発行された、パレスチナの平和と連携を謳う切手です。左右の上から2番目の切手に描かれているのはアルジャジーラ所属のジャーナリスト、シーリーン・アブーアークレ(شيرين أبو عاقلة, Shireen Abu Akleh)で、2022年5月11日にヨルダン川西岸地区のジェニーン難民キャンプを取材中にイスラエル軍によると思われる射撃を受けて死亡しました(イスラエル側は偶発的な事故だったと主張)。

真ん中に描かれている巨大な建物は、エルサレム旧市街地(東エルサレム)の神殿の丘にある岩のドームです。イスラム教の第3の聖地であり、1948年のイスラエル建国時に約75万人のパレスチナ人が故郷や居住地を追われ難民化した出来事(ナクバ)の象徴として描かれています。

切手代理発行エージェントは2022年2月開始のウクライナ戦争と違って、イスラエル・パレスチナ戦争については昨年10月の開始以来、あまり積極的に切手を発行していません。なのでここまで踏み込んだエージェント製切手は現在でも少ないのです。それだけ微妙な問題なのかもしれません。この切手は一般に広く販売せず、販路が絞られているので発売できたということなのでしょうか。