全日本切手展(以下、全日展)について奇妙な話が持ち上がっています。今年(2024年)の全日展への出品者に対して実行委員会が、来年より全日展がスタンペックスジャパンに合流するという文書を連合が送付したらしいのです。ところが、この文書に驚いたのが当のスタンペックスジャパンの主催団体である郵趣振興協会で(通信文化協会との共催)、振興協会が5日付で発表した声明で全日展がスタンペックスジャパンに合流するという話を完全に否定し、実行委員会に訂正を申し入れるという事態に発展しています。
全日本切手展実行委員会から令和6年10月10日付で全日本切手展2024出品者に配布された文書について(否定のお知らせ)
(郵趣振興協会、2024/11/6)
https://kitte.com/archives/12735
※上記画像は郵趣振興協会の公式サイトより。配布文書のうち、同協会が問題視する部分。
振興協会の声明によれば、全日展実行委員会より振興協会に対して全日展の名称を引き継ぐ打診はあったものの、最終的にこの話はなくなり立ち消えになったというのが振興協会の認識であったようです。さらに実行委員会による配布文書の中で、スタンペックスジャパンがスタンペディア社の主催であると誤記されている点についても振興協会は問題視しています。
一連の話が事実であるならば、仮にも70回以上続いてきた競争切手展の名前を冠した切手展の主催であるというのに、この恐ろしいまでの事務能力のなさは何なのでしょうか。特に出品者は苦労して収集して作成した出品作品を実行委員会に預けているというのに、これほど精度の低い文章を他ならぬ出品者に送ることができる神経とはいかなるものなのでしょうか。まったく理解に苦しみますが、どうせもう終わりなのであとは野となれ山となれ、ということで配布文書の精査を行わなかったようにしか見えません。
そして全日展が終了する以上、主催団体である実行委員会がこの先長く存続する理由はなく、今回の訂正申し入れに応える可能性は低いと思われます。もちろん、この予想は外れてほしいと心から願っていますが……実行委員会の能力が低いがゆえに全日展は今夏の開催をもって終了するのだと言われると、なるほどと納得してしまうのが悲しい現実です。