1970年にシャールジャが発行したこの大阪万博の切手を見たことがあるという方は多いかもしれません。岡本太郎の太陽の塔がそびえ立つ姿が印象的な切手ですが、しかしそのふもとにサウジアラビア館が描かれていることに気づいている方は実は多くないのではないでしょうか。そして当時の会場案内図を見てみると、太陽の塔とサウジアラビア館がこんなに近いわけがないということに気がつきます。どう頑張ってもこんな光景はありえない。
私自身は大阪万博開催時にまだ生まれていないのでなんとも言えないのですが、訪れた方ならそもそも太陽の塔は丹下健三デザインの大屋根をぶち抜いていたことを覚えていらっしゃることでしょう。その時点でこんな光景はないんですが、まあそれを言い始めると不正確な切手なんて色々あるわけで、このデザインの不正確さをアラブ土侯国切手であることに求めるのはいささか可哀想な気はします。