いよいよ明日29日から31日まで東京ビッグサイトにてコミックマーケット93(以下コミケ)が開催されます。日本郵便は今回も企業ブースに出店を行い、アニメ関連のフレーム切手を中心とした品揃えで販売を行います。しかし日本郵便とコミケの関係はそれ以上に深いものがあります。
コミケというのはそもそも同人誌即売会です。当然のことながらイベントに搬入される本の量は莫大なものになるわけですが、その郵送業者は現在、日本郵便が指定されています。今回のコミケの場合ですと12月17日から21日までの間に到着するように新東京郵便局留めで荷物を送り、当日会場で受け取るという仕組みになっています。しかし今回のコミケにて同人誌を頒布するサークルは3日間で3万2000にも及び、それら全てが郵送による搬入を行うわけではありませんが、サークルは東1~8ホールと西1ホールに配置されるため当日の受取を確実に、短時間に行うためには大規模に受取場所を設置し、また事前の仕分けも欠かせません。このため送付の際、荷物には指定された色の紙を貼るといった細かいルールがあります。
コミケはここ最近は1年に2回、夏と冬に開催され、夏はお盆、冬は年末のこの時期に行われるため会場内の荷物受取場に配置する人の確保も大変で、さらに交通状況も芳しくないためそれだけ事前準備には多大な負担がかかっています。このため荷物を受け取る際には荷物1個につき100円の手数料を徴収しています(過去の業者も同様)。しかしそれでもペイはしていないはずで、日本郵便にとってはまったく商売になっていません。しかしここまで大規模な展開を行える郵送業者は限られており、過去にはフットワークやペリカン便、ヤマト運輸が担当した時期もありましたが現在は日本郵便がその役割を主催団体であるコミックマーケット準備会よりお願いされている状況です。
さらに搬入があれば搬出もあるわけで、売れ残った本を自宅や書店に送ったり、また買った本を家に送るという需要も発生するので搬出は毎回かなりの長蛇の列ができます。搬出に関しては日本郵便のゆうパックだけでなくヤマト運輸の宅急便も指定業者となっており、会場内で受付を行っています。
というような壮絶なことが行われているわけですがこうした実態はほとんどの郵趣家はご存じないと思います。日本郵便のブースに小型印が用意されているわけではなく、売られているのはアニメのフレーム切手、これでは郵趣家の眼中に入らないのはむしろ当然ともいえます。しかしコミケは日本郵便が参加するイベントの中でも最大級のものであることは疑いがありません。明日から3日間、日本郵便はアニメ・マンガファンの集う世界最大級のイベントにて勇敢に使命を果たそうとしているということくらいは、頭の片隅に入れておいてもいいのではないかと思うのです。
私もいろいろな立場からコミケには3日間フルに参加する予定です。明日以降、ブースの様子など日本郵便が奮闘する様子をウェブログやツイッターで紹介できればよいなと思っております。