発行国である無人島の上を通過する彗星

アンティグア・バーブーダ領レドンダ島は無人島ですが切手が発行されています。人がいないのに切手?もちろん切手代理発行エージェントIGPCによる切手です。郵便を送る人どころか郵便制度がありませんが切手だけはあるという壮大な矛盾。画像は1986年にレドンダ島名義で発行されたハレー彗星の切手です。

実はIGPCはこのハレー彗星大接近に際し、『国土の近くを通過するハレー彗星』の構図で小型シートを各国名義で発行しました。結果的に無人島の上をハレー彗星が通過するという構図になったこの切手は一種の開き直りにも見えます。ちなみに、世界各国で発行されたハレー彗星接近の切手の頒布会が郵趣サービス社によって行われましたが、今日残されている頒布会の切手アルバムにはレドンダ島名義の切手は含まれていないように見えます(私が入手したのが不完全なだけかもしれませんが)。