郵趣の現状を憂えているJPS理事長(15年目)

先月末に雑誌『郵趣』7月号が届いたので読んでいました。将来の郵趣に悲観的な見通しがクローズアップされることで有名な、日本郵趣協会(JPS)の福井和雄理事長による巻頭言『クローズアップ』ですが、今回もまたご多分に漏れず悲観的な見通しです。何しろタイトルが『厳しい現実』です。この巻頭言だけならインターネット上から読めます

最初こそ2020年東京オリンピック・パラリンピックやスタンプショウ2019での新しい取り組みを引き合いに、「これまでの競争展に飽き足らない人たちの出品を促進したい」「いずれの世界でも新たな潮流に乗らなければ事業の継承、発展は望めない」と至極ごもっともな発言が並ぶのですが、問題はその後です。現役時代のご友人から切手収集について聞かれたものの、どうも半ば嘲笑されているようにも聞こえてしまった話、世間一般の関心の低さがどんどん酷くなっているという話、そして自宅や勤め先の郵便番号を知らない人が増えているという報道を見聞きしたという話。こういったご認識が間違っているとは申しません。私も郵便はがきの赤い枠に何を書いていいのかわからず、電話番号を書こうとした若い人の話とかを聞いたことがあります(これは郵趣離れとかではなく、単に社会の常識がないだけなのではないかと思っているのですが)。

悩ましいのはこれが日本最大の郵趣組織である日本郵趣協会の理事長の見解だという点です。福井理事長が就任されたのが2005年、それから14年が経過しました。今年(2019年)で15年目なのです。このかん、日本郵趣協会が郵趣家減少に手をこまねいていたとは決して思っていませんが、その末に見えた結果に失望されているという、その事実こそが大変に残念なことなのです。確かに、これは厳しい現実です。

しかし、15年間もの長期政権で結果が出なかったと自ら認めるのであれば、普通は自ら身を引いて次世代に引き継ぐでしょうな。権力は10年で腐ると申します。今の理事長は別の意味でクサっておられるようですが。