日本郵趣協会と日本共産党の類似性

日本郵趣協会(JPS)の池田新体制に対する池田健三郎氏吉田敬氏のブログを読んでいて、さすがお二人は目の付け所が鋭いと感心しているところです。「JPSの会員数増加を目標に掲げているけど、やるべきことは郵趣の振興だよね?目指すべきところが違うのわかってる?」てな意見を読んでいて、ふと思い出したエピソードがあります。

かつて日本共産党の幹部だった筆坂秀世氏。日本共産党を離党後の2006年に著した、タイトルがそのものズバリ『日本共産党』(新潮社)という本の中で筆坂氏はこんなことを書いています。日本共産党には赤旗という機関紙があるのですが、選挙での議席数と赤旗の部数はリンクしているという論理が使われていると。つまり、例えば議席数が減ったら赤旗の部数をもっと増やさなければならないという反省が党内でなされる、と筆坂氏は主張しています。そして、もしこの論理が正しいのなら、将来の政権獲得を見据えている日本共産党は、どのくらい赤旗の部数を増やせば政権入りに必要な議席数を取れるのだろうね?という痛烈な皮肉を飛ばしておられます(ちなみに赤旗の部数は既に100万部台です)。原因の追求がピント外れだというわけですね。なお、この本については後に日本共産党の幹部らから反論が提出されていますが、勢力拡大と部数増大をリンクさせているという記述についての反論は寡聞にして存じあげません。

それで今回のJPSの目標です。なんか筆坂氏のいうところの勢力拡大=機関紙部数の増加、という日本共産党の考え方と似ているような気がするんですよね。勢力拡大を郵趣の広まり、機関紙部数の増加をJPS会員の増加と読み替えれば、似ていると言うか、そのまんまです。まともな原因分析ができていないし、実はやろうともしていない。まあ歴史はあるけれども、長年に渡って退潮傾向にあって、高齢化が進んでいる…まさに日本共産党と同じです。そりゃあ他の見栄えの良い趣味に若者を取られますよ。それも今回の参院選での日本共産党と同じですね。野党の中で最も議席数を伸ばした党、議席獲得が話題となった党については、皆さん記憶に新しいでしょうし、いちいちここで書く必要はないと思います。

いや、別に日本共産党がどうのというつもりはないんです。私が言いたいのは、JPS理事会の皆さん、全く同じ轍を踏んでいるような気がするんですが、大丈夫なんですか?という懸念なのです。

これはなかなかに深刻な問題で、行き着くところはJPSの体質なんだろうと思っています。政治思想がそうさせるのかはわかりません。しかし、勢力拡大のための原因追求(のセンスの無さ)、それに長年の努力の結果を比較するに、両者の類似性を少なくとも私は看過できないのです。

まあJPSの会員数が増えること自体は悪いことではありません。ちょっとブームが発生して議席数が増えて、政権入りに色気を見せるなど調子に乗ると議席数を減らす、というのがここ十数年の日本共産党の傾向だと勝手に思っているのですが、JPSは同じ轍を踏まぬよう願うばかりです。