新生ソマリア切手発行開始か?トルコ郵政が支援へ

長年による内戦で破壊されたソマリア郵政が、業務立て直しのためトルコ郵政の協力を得るのだそうです。トルコはこれまでソマリアに対する支援に力を入れてきました。

Somali government seeks Turkish Post help
https://postandparcel.info/115023/news/somali-government-seeks-turkish-post-help/

ソマリアは1988年に内戦が勃発し、1991年に政府サービスを停止。郵便事業も中断しました。以降もソマリア発行を名乗る切手が存在していますが、しかし郵便事業そのものがないので本来は切手など存在しようがありません。百歩譲って、機能停止前のソマリア郵政より切手代理発行を委託されていたエージェントによるものだったとしても、このような状況では契約の打ち切りなどやれるわけがなかったことでしょう。しかし、それでもミッヘルカタログには2000年前後のソマリア発行の切手が掲載されています。恐らくはエージェント契約を有効と認めての判断でしょう。

一方で、郵便事業どころか政府が機能停止になったため、ソマリアを名乗る切手まがいのラベルが何者か(切手代理発行のエージェント契約すらしていない)によって製造され、国際切手市場に大量に流通しています。したがって今日、2000年前後のソマリア名義の切手を本物と信じて買うのは大変危険な行為です。本物かニセモノか、店頭で区別するのは難しいです。

その後、国連などの支持を受けた暫定国民政府、暫定連邦政府を経て、2012年に正式な政府が復活し、ソマリア全土の統治は未だかなっていないものの、2013年には郵便事業が再開しています。

How to collect the intriguing stamps of Somalia: Stamp Collecting Basics
https://www.linns.com/news/us-stamps-postal-history/2016/december/somalia-postage-stamps-collecting-basics-africa.html

ソマリアの万国郵便連合(UPU)への加盟は1959年のことでしたが、20年以上に及ぶ資格停止処分を経て今年4月に処分が解除され、先日の第3回臨時会議にて30年ぶりにUPU会議での投票権を行使しました。これでソマリアとの国際郵便のやり取りが可能になるわけで(実際に配達されるかはともかく…)いよいよ郵政事業を立て直すところまで来たということなんでしょう。

ということはですよ、いよいよ正真正銘のソマリア発行の切手が再登場してもいいわけです。これはむしろ切手代理発行エージェントの力を借りないと無理でしょう。あるいはトルコ郵政が発行をサポートしてくれるかもしれません。いずれにせよ、スコットカタログにも堂々と掲載されるような新生ソマリア切手の発行を心待ちにしています。なお、日本郵便は現在、ソマリアへの国際郵便を一切取り扱っていません。