イギリスの額割れ切手

先日、東京・有楽町の東京交通会館にて『第56回 世界の貨幣・切手・テレカまつり』が開催されておりました。私は最終日だけ覗きに行ったのですが、数年に1回程度しか会う機会のない知人にばったり遭遇してびっくりした次第です。向こうは切手でもコインでもなく、テレカが目的でしたが。

さてこうした切手の催事ですっかりお馴染みになっているのが額割れ切手です。これを使えば郵便物を若干お得に郵送可能、ということになるわけですが、これができるのは昔の日本切手が(一部の例外を除いて)今日に至るまで無効になっていないからです。これがイギリスだと大変で、1971年2月に英ポンドが十進化され、補助単位シリングが廃止されペンスだけになったため、それまでに発行された十進化前の切手は1972年2月末をもって使用を停止した…はずです。つまり1970年以前に発行された切手は、先行してペンス単位で発行されたものを除けば、今はもうイギリスで郵便に使えません。画像は、1970年末に発行されたクリスマス切手で、これが最後の十進化前の切手ではないかと思います。

さて、そのイギリス。いよいよ12日に総選挙が行われます。事前予測では保守党が過半数を制する勢いで、そうなればジョンソン首相は欧州連合から堂々退場す、ということになるのでしょうが、イギリスでは事前の議席予測があまり当てにならないのもまた事実。しかしここで保守党が過半数を取れず、引き続き議会で欧州連合からの離脱案をめぐって揉めれば、2020年1月末の離脱期限がまたまた3カ月間延期されるかもしれません。仮に4月末離脱なんてことになったら大変ですよ。ロンドン国際切手展は5月2日より開催されるので、前日からロンドン入りする国外の旅行者からすれば離脱したその日にイギリスに乗り込むことになります。大混乱の中に自ら飛び込む稀有な体験ができそうですね。