ジャパンスタンプ商会の鯛道治氏のブログを定期的に読んでいます。ブログ然り、フィラテリストマガジン等に掲載されるオークションレポート然り、長年オークショニアとして活躍され培ってこられた圧倒的な情報量とエピソードが怒涛のように押し寄せてくるので読者としては毎回、呆然とする他ないのですが、その中に『オークションハウスのJ&H Stlow』の記述がありました。StlowはStolowのことと思われますが、なぜこれに注目したのかというと、アラブ土侯国切手の実逓便でJ&H Stolow宛のものを2通ほど所有していることを思い出したからです。
これがその実逓便で、片方は1966年10月10日にアジュマーンのマナーマから送られたものです。マナーマが独自の郵便事業を本格始動させたのが1966年7月で、これはその3カ月後の郵便なのでアジュマーンの切手にマナーマと加刷したものを使っています。しかも宛先が手書きで(土侯国切手の実逓便の宛先は大半が活字)、急いで自分たちの切手を世界に広めようと発足間もないマナーマ郵政がバタバタしている様子が思い浮かびます。まあ私の妄想に過ぎませんが。
もう片方はウンム・アル=カイワインから1972年5月に送られたもので、いわゆるレンティキュラー切手の実逓便にもなっています。
いずれも住所はアメリカ合衆国ニューヨーク州。ジャパンスタンプ商会のブログでは『J&H StlowもNYを去りました』(原文ママ)とあるので、これはまだニューヨークでバリバリやられていた時代なのでしょう。注目すべきなのは、いずれもRegistered Mailであるということ。おそらく、中身は新切手発行のパンフレットではなく、注文した切手そのものか、あるいは、それに準ずるような重要物でしょう。1972年5月といえばもう土侯国切手の新規発行が終わる直前なので、ギリギリまでお付き合いがあったということになります。一体何を送っていたのでしょうか。
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