切手代理発行エージェントによる切手に対する批判の中に「その国とは関係ない切手を大量に出す」というものがあります。全くそのとおりなのですが、中にはその国に関係している切手もあります。例えばこれ。
2016年にジブチ名義で発行された現職の大統領、イスマイル・オマル・ゲレの切手です。この年の4月8日に執行された大統領選挙では得票率87.07%で当選し、4期目がスタートしています。まさに独裁政権。こうなると欧米諸国から反発を食らいそうなものなのですが、しかし立ち回りが上手く、アメリカや日本、中国とも良好な関係を保っています。ほら、日本もジブチに唯一の海上自衛隊の拠点をおいてるでしょ。
特に5000フランの切手1枚を含む小型シートは見て分かる通りキンキラキン。本物の金ではなく、金色のホイルなのでしょうが、ゲレ大統領から「俺様を見てくれ！」というオーラが溢れ出ています。ギンギラギンじゃないのでさりげなくないですね（古い）。
一般的にエージェントの切手は現地で売っているかどうか怪しいものですが、これなら現地で売っている（買わされる？）かも…でも、小型シートの売価は26ユーロ、田型のシートは20.8ユーロと高めです。ジブチの一人あたりのGDPはお隣のエチオピアやエリトリアよりは高いようですが世界平均からはずっと低く、国民にとっては高い買い物ということで、やっぱり売ってないかもしれません。外国人旅行者向けお土産としてならアリでしょうが、売れるのかは不明です。