自称『イギリス新国王』『新中華連邦』宣言

昔から奇妙な陰謀論というか都市伝説てのが色々と流布されてきたわけですが、今やインターネットが一般に使われるようになり、SNSで一気に世界中に拡散される時代です。最近も以下のような眉唾ものの話題がツイッターから流れてきています。

  1. イギリスの国王が交代!ジョン3世ことジョセフ・グレゴリー・ハレット (Joseph Gregory Hallett) が真の国王だった!
  2. 中国出身で現在はアメリカ亡命中の実業家、郭文貴がスティーブン・バノン元米首席戦略官と組んで反中国共産党政府『新中華連邦』(New Federal State of China) の樹立を宣言!

ここ数日だけでこれだけ濃いのが流れてきてます。まあ1.なんて完全にネタなので分かったうえで楽しめばいいのでしょうが、しかし2.に関してはトランプ政権誕生に大きく貢献したバノンがかかわっているということでどうも一概にネタとも言い切れません。しかもこの話に中国の元サッカー選手の郝海東が乗っかって、自分は彼らと連携するなどと言い始めたものだから微博アカウントが閉鎖されるなどちょっとした騒ぎになっています。

さて、この『新中華連邦』。ネット上では最初にこの話題を紹介した人が”New Federal State of China”を『新中国連邦国家』と訳したらしく、この訳語が広く流れています。もちろん尊重すべきなのでしょうが、個人的にはどうもピンと来ない。私は『新中華連邦』くらいで良いと思います。

さて、なんでこんな与太話2つを郵趣ブログで紹介したのかというと、もちろん「本気で新王朝作る気なら切手出すよな?」と考えているからです。

外国の切手を熱心に集めておられる方なら、今までに多くの自称国家(注:正当性はともかく、国際社会から広く承認されなさそうな国家)が誕生した際、その正当性を世界にアピールするため郵便切手やお金(硬貨、紙幣)を作ってきた歴史があることをご存じかと思います。近年ならウクライナ東部の親ロシア派が作った国家や、北イエメンなど亡命政府がこれに当てはまります。海の中にある構造物を乗っ取って勝手に建国を宣言してしまったシーランド公国もそうです。

その一方で2017年に独立宣言しすぐ凍結したスペインのカタルーニャ共和国は切手を発行することなく数時間で独立が無効化され、昨年に北朝鮮の臨時政府樹立を宣言した自由朝鮮こと千里馬民防衛も今の今まで切手を発行したという話は聞いていません。もうね、全然ダメです。あらかじめ用意していた切手を独立直後に発行し1~2日で消えたカルパト・ウクライナを見習ってほしいものです。

しかるに今回のイギリス新王朝、それに新中華連邦は?後者はカネ持ってる輩が仕掛けているので何らかの動きはあるかもしれません。しかし前者は…どうでしょうね。せめてシーランド公国くらい根性を見せてほしいものですが。