変形切手大国スペインのベートーヴェン切手

近年のスペインは変形切手やら特殊加工やら特殊素材やらのオンパレードです。郵趣サービス社でも変形切手の頒布会というものがありましたが(今は知らない)、さすがに『変な切手』ファンでもスペインの昨今の切手には辟易しているのではないでしょうか、もとい、スペインの切手くらいで辟易してたら『変な切手』のファンなんてやってられないですよね。旧ソ連のアルミホイル切手やブータンのレコード切手の洗礼を受けている収集家はむしろスペインの切手などまだまだ生ぬるいことでしょう。

こうした切手は半世紀前から『収集家向けに出された実用性のない切手』という扱いを受け、まあ確かに郵便に使い勝手の悪いものはあるのでもっともな評価ではあるのですが、それ故に『切手の格としては下』という扱いを受けることも多かったように思います。しかしゼネラルコレクターからすれば切手は切手です。それなら収集家個々が自分が楽しいと思う切手を選択して集めればよいのです。

とはいえ私自身と言えば、実はスペイン切手についてはあまり手を出してきませんでした。変な形や、厚さのある切手は保管が面倒くさそうだなぁというのがその理由の一つです。また、あまりに仕様を凝りすぎている切手は値段が高くなりがちという欠点もあります。やはりコストだけ見れば普通の紙・印刷の切手が一番安いのですよ。しかし、全く無視するわけにもいかないので、このたび面白そうな切手をピックアップして入手しました。

前置きが長くなりましたが、これはスペインが今年(2020年)11月18日に発行したベートーヴェン生誕250周年の切手なのですが、仕様というか、意図がよくわかりません。写真でわかりますかねえ、レコードの形をしていますが本物のレコードではありません。ちょっと厚い紙に印刷されていて、真ん中の丸い部分がミシン目で切り取れるようになっているのです。裏をひっくり返せば中心の部分だけノリがついているのがわかります。郵便物に貼って使う場合には、この中央の赤い部分だけを切り取れということなんでしょう。

複数まとめて買ったので切手と切手の間に紙が挟まれて送られてきたのですが、この切手には同じ形の厚めの紙が手前に挟まれていました。これもミシン目で切り取れるようになっています。