ゆうちょ銀行からの案内に見る、ゆうちょpayの弱点

先日、ゆうちょ銀行より郵便が届きました。何事かと思い中身を開けてみると…

…ゆうちょpayの各種お手続きのご案内、と題された紙。

こんなものを送っているとは知りませんでした。以前よりゆうちょpayの手続きには致命的な弱点があると思っていたところでして、いい機会なのでご紹介させていただこうと思います。

スマートフォンを買い換える期間は人により異なると思います。しかし2~3年もすればどこかの機能がボケ始め、騙し騙し使ったとしてもそのうちOSのバージョンアップに対応しなくなり、結局は数年程度で新機種に替えるという方がほとんどではないでしょうか。機種変更で面倒くさいのは各種アプリのアカウント引き継ぎで、昨今増えてきたキャッシュレス決済のアプリも例外ではありません。その引き継ぎ方法は決済事業者によって様々ですが、だいたい事前にログインIDとパスワードを登録させ、新規端末でそれを改めて入力し認証するというのが一般的ではないでしょうか。なりすましを防ぐため、さらに登録済みのメールアドレスに引き継ぎに必要な情報を送るなど、追加で何らかの操作を行わせるところもあるでしょう。

ところがゆうちょpayのアカウント引き継ぎ方法は変わっています。かいつまんで言うと、旧機種がないと引き継ぎできません。これ、非常に面倒くさいし、色々と問題がある。

例えば私自身は一昨年11月に現在のスマホに変えたのですが、これは古い機種のカメラがだんだんピントが合わなくなってきたり、スマホ画面のタッチに反応しなくなってきたため、早晩これはダメになると判断し発売されたばかりの機種に替えたのです。そしてゆうちょpayのアプリも引き継ごうとしたところ、旧機種がないと先に進まないことに気が付きました。完全に操作できないわけではないのでやれと言われればやれるのですが、しかし一般的に機種変する方々の全員が旧端末で操作できるわけではありません。例えば

  1. 旧端末が壊れてまともに操作できない
  2. 旧端末を紛失してしまっている
  3. 旧端末は既に下取りに出してしまっている

こういう場合には完全に詰んでしまうということです。もちろんゆうちょpay側もそうした事態は想定しており、今回送ってきた紙にも書かれていますが、そういう時はゆうちょpayサポートデスクに電話で問い合わせるようにと書かれています。

なので旧端末がなくてもなんとかなるのは確かなのですが、しかし正直に言ってあまり存在感のない、郵便局で使うと局員さんに感謝されるくらい普及率の低い(※個人の感想です)ゆうちょpayをわざわざ電話で問い合わせてまで継続的に使用したいと思うでしょうか?

現在、ゆうちょpayは5%ポイント還元というキャンペーンを3月末まで実施しており、私のように新切手発売のたびに郵便局で継続的に使っていればそこそこポイントが溜まっているのでアカウントを引き継ぎたいという動機もあるでしょうが、そもそもゆうちょpayはゆうちょ銀行口座から自動的に引き落としてくれる、いわば『デビットカード』のようなもので、他のキャッシュレス決済のような、チャージして使うものではありません。なので別に使えなくなったからと言って自分のお金が減るわけではないし、「引き継げないんならいいや」と簡単に切り捨てられてしまう存在だと私は思っています。

ゆうちょpayの引き継ぎが面倒くさい問題は以前よりSNS等で話題になっているとことではあるのですが、ゆうちょpayがサービスインしたのは2019年5月なのでそろそろ2年が経過し、初期にアカウント登録したスマホが一通り機種変の時期を迎える頃なので、これから大問題になりそうな予感がします。今回の案内もそれを見越してのことなのかもしれませんが、新規端末だけで引き継げるようにしない限り、ゆうちょpayの未来は残念ながら暗いと言わざるを得ません。