ロシア帝国の切手みたいな紙幣

このウェブログでも度々出てくるNHK大河ドラマ『青天を衝け』ですが、17日放送の第31回ではいよいよ銀行を設立することになりました。主役である渋沢栄一が日本資本主義の父ということもあってか、お金に関するシーンがよく出てきます。江戸時代までバンバン発行されていた藩札をどうするかとか、明治時代に入って政府が発行した太政官札がいまいち信用がないとか、そういえばそんな話を小学生の頃に学習まんがで読んだなぁと思いだしているところです。切手とコインが抱き合わせで一冊の本になっていたりしたので、お金の歴史の流れは大まかに掴んでたりするわけです。

というわけでお金の切手。これは1915年から1917年にかけて帝政ロシアで発行された切手…ではなく紙幣です。第1次世界大戦のさなか、貨幣に使う金属が不足したため、代用として作られたものです。ところが切手と区別するために厚紙を使用したとはいえ、従来の切手デザインを流用したり、数字を加刷しただけの代物だったため、規定に反して郵便切手として使われることが多かったそうです。そりゃまあ、こんな形してればねえ。今でも切手と収入印紙を取り違えて貼っちゃう人っているそうですから…まあ、ブルーチップと間違える人はいないでしょうけど。

裏側はこんな感じ。スコットカタログなどによれば『補助銀貨幣と同じように流通する』と書いてあるんだそうです。

切手の版面を流用した「お札」 切手紙幣 10カペイカ
(独立行政法人 国立印刷局 – お札と切手の博物館)
https://www.npb.go.jp/ja/museum/tenji/gallery/kapeika.html