これは2016年5月12日にスイスより発行された、当時開通を目前に控えていたゴッタルドベース(基底)トンネルの切手です。
当時の雑誌『郵趣』によれば、アルプス山脈を南北に貫く全長約57kmのトンネルで、2016年6月に開通を控えていました。それまでの世界最長の鉄道トンネルは日本の青函トンネルでしたが、これを抜いて記録を更新しました。
この切手の特徴は真ん中のタブ部分で、これも雑誌『郵趣』によれば、アルプスの断面部分に、トンネル内から掘削された岩石の粉末を加熱溶融密着させた盛り上げ印刷が施されているとのこと。傾けると特殊な加工がなされているのがわかります。
しかしこの切手にはもう一つエピソードがあります。それは、スコットカタログではこの真中のタブ部分も切手とカウントされているという点です。雑誌『郵趣』では、この連刷は左右の切手が1種類で、合計2種類。しかしスコットカタログ2017年版では番号として1606が振られ、右からa、b、cと添字が振られているのです。最新版ではどうなっているのかはわかりません。