戦時下のウクライナ郵政、切手関連の動きまとめ

ウクライナ戦争が始まってもうじき1カ月になりますが、この間にもウクライナ郵政は公式サイトを通じて情報発信を行っています。切手に関する動きを拾って以下に記載しようかと思います。

①切手コンクール『くたばれ!ロシア軍艦』大賞が決定
ロシアによる侵略開始から5日後の3月1日、ウクライナは再独立後の切手発行30周年企画として、『くたばれ!ロシア軍艦』をテーマとした切手デザインコンクールを開始しました。作品を電子メールで4日まで募集し、その結果予想を超える496人が応募したためその中から20作品を選んで3月8日から10日まで人気投票を実施し、11日に大賞が発表されました。画像はウクライナ郵政のサイトから転載した大賞作品です。実際の切手は戦後に発行予定で、もちろんロシア宛ての国際郵便にも使えます。

The sketch for the postage stamp “Russian warship, fuck you!” chosen
https://ukrposhta.ua/en/news/57585-the-sketch-for-the-postage-stamp-russian-warship-fuck-you-chosen

②UPUに対し対ロシア制裁を要請
ウクライナ郵政は3月18日、万国郵便連合(UPU)に書簡を送り、郵趣における対ロシア制裁を実施するよう要請しました。具体的には、2002年以降の世界中の切手に通し番号を付けているWADPナンバリングシステムからロシアやベラルーシと共同で発行した切手(1994年、2013年発行)を取り下げること、またUPU内組織の世界郵趣発展協会(WADP)の会長がロシア人であることに反対し会長選挙を実施すること、加盟各国に対しロシアとの共同切手を発行しないことを要求し、将来的にウクライナとの共同切手を発行することを呼びかけています。

Ukrposhta asks the Universal Postal Union and member countries to impose sanctions against Russia in the field of philately
https://www.ukrposhta.ua/en/news/57589-ukrposhta-asks-the-universal-postal-union-and-member-countries-to-impose-sanctions-against-russia-in-the-field-of-philately

WADP | World Association for the Development of Philately
https://www.upu.int/en/Universal-Postal-Union/Activities/Philately-IRCs/Philately-Development

③国内切手展を延期
ウクライナ郵政は、同国内で戒厳令が発令されていることを理由に、2022年5月25日から29日に予定されていた同国での全国切手展『Укрфілексп 2022』(UKRFILEXP 2022)の延期を決定しました。新たな日程は、戒厳令が廃止された後にウクライナ切手収集家協会とウクライナ郵政が共同で決定する予定です。

Укрпошта інформує про перенесення, запланованої на 25-29 травня 2022 р., XX Національної філателістичної виставки «Укрфілексп 2022»
https://www.ukrposhta.ua/en/news/57590-ukrposhta-informu-pro-perenesennja-zaplanovanoi-na-25-29-travnja-2022-r-xx-nacionalnoi-filatelistichnoi-vistavki-ukrfileksp-2022

このほか、引き続き新切手が発行されていますが、2月以降の切手はまだオンラインショップに追加されていないため日本からは購入できないようです。

ウクライナ郵政以外の話題では、ラトビアやリトアニア郵政がウクライナ支援を呼びかける切手を発行する/していますが、そろそろリトアニアあたりの切手代理発行エージェントがウクライナ支援の切手を発行してもいいんじゃないでしょうか。なんならウクライナ郵政が一時的にエージェントに発行業務を委託してもいいですね。どうせ売れた切手はほとんど郵便には使われませんから。