ジョコビッチ入国拒否切手

今年1月にオーストラリアで開催されたテニスの全豪オープンに出場するはずだったテニスプレイヤーのノバク・ジョコビッチ選手が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの接種を拒否したため大会への参加を断られ、結局オーストラリアに入国すらできなかったという事件を覚えている方も多いかと思います。実はこれも切手のネタになっています。

これは2022年1月24日付でジブチ名義で発行されたジョコビッチ入国拒否の切手です。COVID-19ウイルスと注射針の絵、”No Vax=No Australia”という文言と、入国拒否を不服としてジョコビッチが起こした差し止め請求が裁判所より却下された2022年1月16日の日付が書かれていますね。Vaxとはワクチンのことなのですが、”No Vax”(=ワクチン接種してない)を、ジョコビッチの名前であるノバク(英語表記でNovak)とかけているのでしょうか。ジョコビッチが頭抱えちゃってる写真(そういうのを探したんでしょう)まで使ってます。ええ、完全に悪ノリのオンパレードです。

驚くべきはこの切手が2022年1月21日に販売を開始したという点です。用意するのが早ければ売り出すのも早い。さっさと売りに出さないと時期を逸して売れなくなると思ったんでしょう。さすがの嗅覚です。切手代理発行エージェントによるものなので発行日は後付のものにすぎませんが、発売日より前に切手の販売を開始するのはそう滅多にあることではありません。

これに飽き足らず、このエージェントが過去に発行したジョコビッチの切手に今回の入国拒否のネタを加刷したものまで同時に販売しています。これらは2014年から2016年にかけてニジェール、中央アフリカ共和国、シエラレオネ、ギニアビサウ名義で発行した切手に赤く加刷したものです。悪ノリにターボがかかっていますが、こういうのを出すと私みたいに買う人がいるから出すんですよね。