シエラレオネ名義『くたばれ!ロシア軍艦』切手

今年(2022年)4月12日と5月23日にウクライナで『くたばれ!ロシア軍艦』切手が発行されたことはすでに何度も当ウェブログで取り上げてきました。この意匠は同国の画家ボリス・グローエ(Boris Groh)氏によるもので、発行時には軍艦にわざわざロシアの国旗が付け足されました。4月12日の発行翌日に本当にロシアの巡洋艦モスクワが撃沈されたため話題となり切手は瞬時に売り切れ、続編となる『くたばれ!ロシア軍艦―完了』切手が5月23日に発行されたというのは、もはや繰り返すまでもないでしょう。

さてこのほど、この絵を利用した切手がシエラレオネ名義で発行され、6月下旬より発売が開始されました(発行日は未公表)。初代と続編の両方が同時に出ています。

これは切手代理発行エージェントによるものですが、決して『くたばれ!ロシア軍艦』切手をパクったわけではなく、あくまでボリス・グローエの絵を紹介するという位置づけになっています。そのため、ここではご紹介しませんが、ボリス・グローエによる他の絵も同時に切手になっています。が、しかし本家ウクライナの『くたばれ!ロシア軍艦』切手が飛ぶ鳥を落とす勢いで売れまくったことにあやかろうという意図はあったでしょう。

先の小型シートに収められた切手は大きめサイズですが、元祖の『くたばれ!ロシア軍艦』切手に近い、小さめサイズの切手も発行されました。

よく見ると軍艦にロシア国旗がありません。建前上はボリス・グローエの絵を紹介するという切手であり、元々の絵に旗は描かれていなかったので、ウクライナでの切手化の際に付け足された旗がここにあるとおかしい、というわけですね。