中国香港コレクターカードの謎

前回は中国香港より2021年4月22日に発行された『昔ながらの香港ご当地おやつ(軽食)』切手の単片と小型シートをご紹介しましたが、実はこれ以外にもコレクターカード(珍藏卡)なるものが発行されています。これはシール式の切手シートで、これだけだと日本でもよく見かける切手シートと同じなのですが、裏面に解説が書かれているのが大きな特徴です。小型シートと同様、凹凸が付けられています。

香港郵政がコレクターカードを発行したのはこの時だけではなく、2021年の3月16日に発行された『三国志演義』、同6月22日に発行された『動物愛護協会創立100周年』でも発行していますが、コレクターカードは後にも先にもこの3回しか発行されていないようです。また香港郵政は1年間に発行した切手をすべて収録したイヤーセットを販売していますが、2021年版セットにコレクターカードは含まれていません。

どうもこの3回だけで終了しそうな気配のコレクターカードですが、その理由としては値段が高いことが挙げられるのではないかと思います。3枚とも切手の額面を合計すると21.6香港ドル(HKD)なのですが、コレクターカードそのものの売価は45HKDなのです。わざわざ2倍以上するものを切手収集に興味のない一般国民がわざわざ買うとは思えず、だからこそ収集家向けの『コレクター』カードなのでしょうが、実際のところあまり売れなかったのではないでしょうか。