手を切るわけではない切手

先日、NHKのEテレにて放送されている『漢字ふむふむ』を見ていたところ、日本在住の台湾出身の方が来日直後、郵便局にて切手という案内を見て「なんで手を切らなきゃいけないの!?怖い!」と思い違いをされたというエピソードが紹介されていました。確かに言われてみれば『切手』という言葉は個々の漢字だけを見れば物騒な物言いではあります。当ウェブログの読者であれば切手はそもそも江戸時代に存在した切符手形(現在でいうところの商品券のようなもの)が語源であるということくらいはご存知でしょうが、なまじ漢字を使っていると意味を誤解してしまいかねないという一例でした。まあそういう意味では日本人も中国本土や台湾にて漢字を見た際に違った解釈をすることもあるでしょう。お互い様です。

では台湾では切手は何というのか、これも当ウェブログの読者であればご存じの方が多いでしょう。そう、郵票ですね。これは2005年8月21日に台湾(中華民国)郵政が発行した第18回アジア国際切手展の切手ですが、切手は『郵票』、切手展は『郵展』となっています。わかりやすいといえば、わかりやすい。2023年8月に台北で開催が予定されている第40回アジア国際切手展の公式サイトでも『郵展』という言葉が使われています。

臺北2023亞洲國際郵展
https://taipei2023.post.gov.tw/

このほか、中国本土の切手では郵の異字体を使って邮票とか、邮政とか書かれていたりしますね。ちなみに近代郵便制度に『郵』という字を充てるアイディアも、元々は前島密らによるものだと思ったのですが。

そういえば同じく字面だけ見れば怖い『小切手』は?中国語では『支票』なんだそうです。これもまあ、わかりやすいといえば、わかりやすい。