いよいよ、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナ4州の併合を宣言するようです。先日、ロシアへの併合を問う住民投票が行われたドンバス地域(ドネツィク州とルハーンシク州)、南東部ザポリージャ州、それに南部ヘルソン州です。賛成票はいずれも9割前後だったとアナウンスされていますが、住民投票そのものがインチキだとして国際連合や欧米諸国には承認されていません。
住民投票の正当性はともかく、もしロシアが編入を宣言した場合ドンバスの2州にある親ロシア派の自称独立国家、ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国は消滅することになります。もっともロシア連邦の構成共和国として存続するかもしれませんが、これまで両人民共和国が発行してきた切手はロシアのものに置き換わることになるでしょう。
一方的な建国宣言からはや8年、時代の徒花であることが最初から自明だった両国は国際的に承認されていない切手を合計で数百種類発行してきましたが、いよいよその歴史に幕を閉じ、郵趣の世界で言ういわゆる『デッド・カントリー』が2つ増えることになります。その次には、クリミアの時と同様、ロシアが併合を宣言した4州を題材とした切手を発行することをは火を見るよりも明らかです。
これは2019年5月12日にドネツクとルガンスクの両人民共和国が共同で発行した、建国5周年の切手です。中央タブには両国の領土の地図が描かれていますが、実際にはこれは州の地図であり、このすべてを統治できているわけではありません。