ルガンスク人民共和国の金メダリスト切手

2020年東京オリンピックの汚職事件、そして2022年ウクライナ戦争と、憂鬱なニュースが連日報道されていますが、この切手はオリンピックとウクライナ戦争の両方を題材として含有しています。これは2020年8月15日にウクライナ東部を占領する親ロシア派が自称した国家・ルガンスク人民共和国が発行した、ルガンスク(ルハーンシク)地域出身のオリンピック金メダリストの切手です。

誰が描かれているかというと、左上→右上→左下→右下の順番に、

オレグ・クチェレンコ(Олег Кучеренко、Oleg Kutscherenko)
レスリング男子グレコローマン48kg級、1992年バルセロナ

アレクサンドル・リマノフ(Александр Рыманов、Aleksandr Rymanov)
ハンドボール男子チーム、1988年ソウル

ヴラジーミル・スミルノフ(Владимир Смирнов、Vladimir Smirnov)
フェンシング男子フルーレ個人、1980年モスクワ

アナトリー・チュカノフ(Анатолий Чуканов、Anatoly Chukanov)
自転車競技チームタイムトライアル、1976年モントリオール

ニコライ・チュジコフ(Николай Чужиков、Nikolai Chuzhikov)
カヌースプリント男子カヤック4人乗り1000m、1964年東京

となっており、非常に失礼な表現になりますが、かなり昔の方まで引っ張り出してなんとか5人揃えた感は否めません。ソウル五輪までは全員ソビエト連邦代表で、1992年バルセロナ大会のクチェレンコは旧ソ連12カ国からなるEUN選手団として参加しています。

今回はあくまで金メダリスト切手ということであり、切手シートには2020年東京オリンピックの文言は一切入っていないため、東京2020の切手ではありません。とはいえ本来の開催期間の直後に発行しているので全く意識していない、ということはないでしょうけど。

ちなみに裏側はこうなっており、右下部分(表から見ると左下にあるオリンピックシンボルのタブ部分)に消印のようなものがありますが、これはよくわかりません。