フランス郵政のNARUTO切手

漫画

フランス郵政(ラ・ポスト)は今年(2022年)10月10日に『NARUTO -ナルト-』の切手を発行しました。日本でのアニメ放送開始と、フランス語版漫画の発売開始20周年を記念するもので、切手になるのは日本(2009年)に次ぐ2カ国目かと思います。斜めにしてみると、手から放射線状に模様が伸びているのがわかります。また手のひらの『火影』の文字には光沢があります。

この切手、発売直後にすぐにラ・ポストに発注をかけるつもりだったのですが、オンラインショップでの注文がどうしてもうまくいかず、やむなく別のルートで購入しました。ラ・ポストのサイトからはこれまでにも何度か通販していたのに、なぜ今回は不可能だったのか? 色々と調べたところ、どうやら日本から注文しようとするとうまくいかず、フランス国内宛てでないと注文が通らないような仕様に変更されてしまったようです。

このほか、欧米各国の郵政が自国の切手やコインを額面で世界中に販売するWOPAという仕組みがあり、ラ・ポストも参加しているのですが、そこでは全ての新切手が販売されるわけではなく、発行から1カ月近くたった現在もNARUTO切手は載っていないためWOPAを通じての購入は不可能です。それだけでなく、ラ・ポストの通販サイトではフランス本国はもちろん、仏領ポリネシアやニューカレドニア、サンピエール島・ミクロン島、それに南極地域といったフランスに関連する地域の切手も発売していますが、これらはWOPAでは一切販売されません。このためWOPAがあってもラ・ポストから直接通販をする機会は減らないのですが、日本向けに送ってもらえなくなったとNARUTO…なると痛手です。もちろん切手商などからも買えますが、一般的には郵政から直接買うのが一番安いですからね。

アメリカ郵便公社(USPS)は昨年までebayにて専用のアカウントから新切手を世界中に発売し、非常に便利だったのですがebayでの販売をやめてしまい、USPSサイトからの販売に一本化してしまいました。ところがこのサイト、支払手段がアメリカ国内の住所を請求先に登録しているクレジットカードに限定されており、事実上、アメリカ国内在住者しか買えないようになってしまいました。理由は不明なのですが、フランスもアメリカも国外収集家が郵政に直接注文する道を事実上閉ざした格好です。もっとも回避策はあるにはありそうですが、それなりに費用を要しますので、せっかく額面で買える郵政に注文してもお得感がなくなるかもしれません。

私は以前から日本郵政はもっと海外に切手を直接販売すべきというのが持論で、海外の実例としてアメリカのようにebayを使ったり、フランスのようにWOPAに参加するというのも方法の一つと主張しているのですが、気がついてみれば両国とも国外への積極的な販売をやめてしまいました。この動きが他国にも伝播することがないよう願うばかりです。日本は官営時代からやる気ないですけどね。