昨年(2022年)11月11日、ロシア軍がウクライナ戦争の開戦当初より占領下においていたウクライナのヘルソンからの完全撤退を発表し、同日中にウクライナ軍が市内に入り奪還を宣言しました。その1カ月後の12月9日、ウクライナ郵政は『ヘルソンはウクライナだ!』切手を発行し、ロシア占領からのヘルソンの解放を祝うと共に、全世界に対しヘルソンがウクライナ領土であることをアピールしました。
一見するとスイカの切手に見えます。スイカはヘルソンの名産品なのだそうで、よく見ると種の部分は爆弾ですし、スイカの赤い果肉の部分にはヘルソン市民が被った悲惨な記憶が描かれています。発行初日にはキーウ中央郵便局で午前10時より、切手をデザインしたアンドリー・サガッチ(Андрієм Сагачем)氏によるサイン会まで開催されたそうです。なおサガッチ氏はこの切手を作成中に父親を亡くされたとのことです。
Укрпошта ввела в обіг довгоочікувану поштову марку «Херсон – це Україна!»
(ウクライナ郵政、2022/12/9)
https://www.ukrposhta.ua/ua/news/57819-ukrposhta-vvela-v-obig-dovgoochikuvanu-poshtovu-marku-herson-ce-ukraina
実は発行こそ解放から1カ月後ですが、ウクライナ郵政は11月11日、解放当日に『ヘルソンはウクライナだ!』切手を発行すると公式サイトで告知し、意匠は未発表だったもののネット上で予約受付を開始していたほか、発行予定数や額面などはすでに告知されていました。
Укрпошта випустить поштову марку «Херсон – це Україна!»
(ウクライナ郵政、2022/11/11)
https://www.ukrposhta.ua/ua/news/57795-ukrposhta-vipustit-poshtovu-marku-herson-ce-ukraina
その1カ月前のクリミア大橋爆発のときもそうでしたが、あまりに切手発行のフットワークが軽すぎます。あらかじめ切手発行のタイミングや仕様を固めているのでしょうか。このぶんだと、ウクライナ戦争勝利の切手についてもすでにある程度の発行計画を固めていても驚きません。少なくともウクライナ郵政は今後とも重要都市がロシアから解放されるたびに記念切手を発行するつもりのようです。