『レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才』

先週金曜日に東京都美術館で行われている『レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才』を観覧してきました。エゴン・シーレ(Egon Schiele)をよく知っているわけではないのですが、せっかく開催されているので行ってきたのです。すると全く予期していなかったのですが、切手に関連する展示物を見ることが出来ました。

この展覧会はエゴン・シーレだけではなく、同時期を生きた芸術家の作品も展示されています。その中にはコロマン・モーザー(Koloman Moser)というデザイナーがデザインした切手のオリジナルスケッチ4点も含まれています。これらはオーストリア郵政が所蔵しているものです。

オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の即位60周年を記念して、オーストリアが1908年に発行した2、3、10、50ヘラー(=オーストリア=ハンガリー・クローネの100分の1)切手のオリジナルスケッチです。それぞれマリア・テレジア、ヨーゼフ2世、フランツ・ヨーゼフ1世(2種)が描かれています。これは図録からの写真ですが、この展覧会は4月9日まで開催されていますので、現地を訪れることが可能であれば、ぜひ現物をご覧いただければと思います。

コロマン・モーザーは切手や紙幣をデザインすることで、生活のあらゆる場面に芸術を浸透させるという自身の目標を体現しました。そして今日、これらの切手は安く手に入れることが可能です。そういう意味では100年以上先の未来にも身近な芸術品を作り出したといえます。