スイス郵政は今年(2023年)5月8日、クリプト切手第3弾を発行しました。販売受付を開始したのは現地時間の5月2日午前7時30分です。
これがクリプト切手が入っている袋で、
中からはこういうものが入っています。この左部分が切手です。切手部分はすべて同じですね。なぜか切手は一部分が袋にくっついています。
見ての通り今回のテーマは犬です。切手の額面そのものはすべて同じ9スイス・フラン(CHF)なのですが、枠外に描かれている犬は全部で14種類発行されておりまして、各切手には犬の名前がついており、売価も全部違います。切手は全部で22万5000枚が発行され、以下のようになっています。
切手タイトル | 売価 | 発行枚数 |
---|---|---|
Crypto Stamp CHF 9.00 «Walter» | CHF 9.00 | 50,000 |
Crypto Stamp CHF 9.00+0.90 «Bella» | CHF 9.90 | 65,000 |
Crypto Stamp CHF 9.00+3.00 «Emmy» | CHF 12.00 | 45,000 |
Crypto Stamp CHF 9.00+6.00 «Rocky» | CHF 15.00 | 30,000 |
Crypto Stamp CHF 9.00+10.00 «Jara» | CHF 19.00 | 18,000 |
Crypto Stamp CHF 9.00+20.00 «Berna» | CHF 29.00 | 8,000 |
Crypto Stamp CHF 9.00+30.00 «Milo» | CHF 39.00 | 4,500 |
Crypto Stamp CHF 9.00+40.00 «Fido» | CHF 49.00 | 2,500 |
Crypto Stamp CHF 9.00+90.00 «Fluffy» | CHF 99.00 | 1,000 |
Crypto Stamp CHF 9.00+190.00 «Lucy» | CHF 199.00 | 350 |
Crypto Stamp CHF 9.00+290.00 «Luna» | CHF 299.00 | 250 |
Crypto Stamp CHF 9.00+390.00 «Buddy» | CHF 399.00 | 200 |
Crypto Stamp CHF 9.00+490.00 «Bob» | CHF 499.00 | 150 |
Crypto Stamp CHF 9.00+990.00 «Aia» | CHF 999.00 | 50 |
一番安い«Walter»はNFT画像アイテムが付属しないため正確にはクリプト切手ではなく、したがってアクセス用のコードはなく、冒頭でご紹介した袋にも入っていません。それ以外は販売価格がいくらか上乗せされて販売しており、0.90フランが上乗せされている«Bella»から切手額面の110倍となる990フラン(日本円で約15万円)が上乗せされている«Aia»まで、13種類の切手が発行されています(何度も書きますが、切手部分はすべて同じ)。しかも今年後半にはこれとは別のスペシャル版がオークションに出品される予定となっており、印刷数は各1枚! あまりにもアホらしいので私は最安値の«Walter»と、«Bella»と«Emmy»だけを購入しています。
しかし、この上乗せ分が一体何に使われるのか、スイス郵政の説明だけではいまいちよくわかりません。そもそもこれが寄附金付き切手であるのかもわかりません。よく見ると枠外の右上に上乗せ分額が書いてはあります。クリプト切手を作るのにもお金がかかるでしょうから、上乗せしたい気持ちはわかるのですが…。
今回の切手のデザインは2022年9月5日から10月23日までスイス全土で地域持ち回りで開催された『Swiss Digital Days』への来場者が作成したものです。端末で選択された用語から、画像生成の人工知能(AI)システムが今回の切手のテンプレートを作成したと説明しています。詳細はよくわかりません。
Swiss Digital Days
https://digitaltage.swiss/en/
まあクリプト切手はとにかく目新しことをやりたい+売上を増やしたい郵政当局が企画して好きに出せばいいと思います。しかしまぁ9フランの切手を990フラン上乗せして売るのはどうかと思うのですが、でも販売開始から1カ月も経ってないのに既に50枚全部売り切れているんですよね。恐ろしい世界です。
ちなみにこの切手はスイス郵政による切手発行プログラムの範疇外なので、交換対象外なんだそうです。さらに謎な立ち位置です。