セルビアのCOVID-19切手

今年(2023年)4月にコソボで行われた地方選挙をめぐってセルビア系住民が抗議運動を起こしており、先月には抗議デモ隊が警察や北大西洋条約機構(NATO)の平和維持部隊と衝突、今月に入ってデモの首謀者が逮捕されまた抗議デモが発生するという悪循環に陥っています。まあセルビアとコソボはずっと前から睨み合っているわけですが、コソボの一方的な独立宣言から15年が経過しても未だにセルビアとの対立が解けないのが残念です。

さてこれはセルビアで発行された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種に関する切手です。セルビア政府による特設サイトのアドレスが書かれています。

一見すると同じ切手が2枚あるように見えますがよく見ると発行年が違います。左が2021年(4月21日発行)、右が2022年(3月1日発行)ですね。2021年だけで済むと思ったら2022年も接種が続いたが故に追加発行したのでしょうか。ちなみに2023年は今のところ発行がないようです。

なお額面は両方とも3セルビア・ディナールですが、この額面のセルビア切手はおそらく1918年以来103年ぶりで、3ディナールというのは2021年、2022年発行の切手の中で最低の額面であり、この2種以外には発行されていません。日本円に換算しても4円程度なので、一番安い切手にすることで人々の目につきやすくするという意図があるのでしょうか。