米陸軍キャンプ座間の軍事郵便局が公式見解

5日に神奈川県にある在日アメリカ陸軍のキャンプ座間にて開催された基地開放イベント『盆踊りフェスティバル』に参加してきました。ですが、別に盆踊りに行ったわけではありません。

キャンプ座間は7月1日に開催されたイベント『米国独立記念祭』で既に訪問していますが、私の仕事の関係で現地に着いたのが日没直前だったため全体的に撮影した写真が暗く、そのため今回は昼間から参加することにしました。今年は横須賀に始まって厚木、横田、前回の座間と、雨が降りがちでしたが今回は快晴。写真撮影には非常に良い環境となりました。

さて前回、キャンプ座間内にある郵便局の様子をお伝えすると書いておきながらできていなかったので、今回の訪問でようやく郵便局の様子をお伝えできるところだったのですが、現地で軍事郵便に関する非常に重要な告知が行われていたので、そちらをまず先にご紹介しようと思います。

まずこれが郵便局の手前にある、映画スター・ウォーズに登場するR2-D2風の塗装が施された郵便ポストです。

そしてこれが反対側にある普通の郵便ポストです。

注目すべきは郵便ポストの胴体に貼られている注意書きです。前回(7月)にはこれがありませんでした。これは両方のポストに貼られていました。

Postcards collected from any individual not authorized APO Privileges Under Status of Forces Agreement will not be processed for delivery.

日米地位協定に基づいて、米陸軍郵便局利用を許可されていない個人から収集したはがきや手紙等は、配達処理されません。

そこで日米地位協定(正式な日本語名称:日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定)を改めて読んでみると、条文内に何箇所か『軍事郵便(局)』という語句が出てくるのですが、その中でも今回は以下の条文を適用したのではないかと推測しました。

第二十一条
合衆国は、合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族が利用する合衆国軍事郵便局を、日本国にある合衆国軍事郵便局間及びこれらの軍事郵便局と他の合衆国郵便局との間における郵便物の送達のため、合衆国軍隊が使用している施設及び区域内に設置し、及び運営することができる。

したがって、在日米軍基地内にある合衆国軍事郵便局とは『合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族』が利用するものであることから、それ以外の人物が利用することは想定されておらず、郵便システムを利用することもできないと解釈できます。もしかしたら、協定のまた別の箇所を適用しているのかもしれません。日米地位協定を運用するための日本もしくはアメリカの関連法規で明確に利用が制限されている可能性もあり、ここはなんとも言えません。

いずれにせよ今回、軍事郵便局側の公式見解が、個人的な問い合わせという形ではなく、誰にでも分かる形で発表されたことは非常に重要な話で、これは郵便局の外観紹介より優先すべきと判断して一つの記事にした次第です。

これまでに何人かの郵趣家(そうでない一般人もいたでしょう)が在日米軍基地内の郵便ポストより郵便物の投函を試みてきました。どうも私が調べた限りでは米軍関係者以外による利用について、実際の運用は厳しくなったり緩くなったりと変動してきたようなのです。利用OKなのか否かと問われれば原則としてはNGということなのでしょうが、実際の運用はそうではなかったということです。

当ウェブログでも、これまでに横須賀や厚木、そしてここ座間でもはがき投函実験を行い、そして普通に配達されてきたわけですが、しかし少なくとも座間、あるいは座間を含むAPO=Air/Army Post Office(米空軍・陸軍郵便局)に関しては今夏、原則どおりの運用とするということに決定したのかもしれません。正直、米陸軍と米海軍、また基地同士でも運用は微妙に異なるような気はしています。

それにしても、米軍基地の一般開放イベントから帰ってきて、自宅で日米地位協定について条文をくまなく読むことになるとはさすがに思いませんでした。