8月24日にアメリカ合衆国のドナルド・トランプ前大統領がジョージア州の選挙介入疑惑などRICO法(威力脅迫及び腐敗組織に関する連邦法)違反容疑で同州に逮捕され拘置所に出頭した際、被告人としての顔写真(マグショット)を撮影されました。トランプ前大統領の政治資金団体”Save America”は即座にこの写真を使ったグッズの販売を開始し、数日間のうちに700万ドル(約10億円)を集めたと話題になりました。おそらく、これらは弁護士費用や2024年大統領選挙の選挙資金に充てられるのでしょう。
マグショットを使ったグッズ販売の報を聞いたとき、これを使って日本郵便のオリジナル切手(フレーム切手)作成サービスを申し込んだら怒られるだろうな~、と思いつつイメージ画像だけは作り、X(旧ツイッター)にも上げてみたのですが、心の中ではStamperijaならやってくれるのではないかと思っていました。そして本当にやってしまいました。
これは2023年9月1日にStamperijaが発売を開始した、ドナルド・トランプ前大統領のマグショットを使った切手シートです。正確にはガイアナ名義のPスタンプなのでスコットやミッヘルといった切手カタログには載らないでしょうが(イベールは載せる可能性あり)、ガイアナ郵政と正式なライセンス契約を結んでいる切手代理発行エージェントが作ったものですから、この事実は重い。この切手を貼ってガイアナからアメリカ合衆国のホワイトハウスにいるジョー・バイデン大統領宛に手紙を郵送することだってできるのです。大統領(President)は囚人(Prisoner)に修正されています。
シート余白にはトランプ前大統領が刑務所の中に入っているイメージが描かれていますが、実際には事務手続きなどで拘置所内に20分間滞在した後、保釈金を払って再び外に出ています。
シート最下部にはトランプ前大統領のマグショットが撮影された経緯が書かれています。
まさに切手代理発行エージェントのフットワークの軽さを象徴するかのような切手ですが、それにしてもトランプ陣営はこの切手の存在を知っているのでしょうか? まあ今回はトランプ陣営だけでなく不支持派もこのマグショットを使って色々とグッズを作ったりしているそうなので、遠いリトアニアのエージェントが何を作ろうが知ったことではないのかもしれませんが…。
Divided US embraces Trump mug-shot merchandise
(ロイター、2023/8/25)
https://www.reuters.com/world/us/divided-us-embraces-trump-mug-shot-merchandise-2023-08-25/
アングル:トランプ氏逮捕写真、支持派と反対派がこぞって商品化
(ロイター、2023/9/1)
https://jp.reuters.com/article/usa-trump-georgia-mugshot-merchandise-idJPKBN306081