タイ王国のシリキット王太后

現在、国際切手展『THAILAND 2023』(世界展)が開催されているタイ王国の現時点での国王といえば、ワチラーロンコーンことラーマ10世です。父親にして先帝のプーミポン・アドゥンヤデートことラーマ9世は2016年に崩御されましたが、母親のシリキット王太后はご存命です。

これは2018年8月31日にタイ王国郵政より発行された、シリキット王太后の86歳の誕生日を祝う記念切手です。しかし描かれているのはかなり若い頃の姿だというのがおわかりいただけるかと思います。

今なおタイ王国郵政より発行され続けているシリキット王太后の切手は、どれも黒髪時代の写真が使われています。シリキット王太后は2015年以降はほぼ公の場に姿を見せておらず、この切手が発行された前年の2017年に写真が公開されたくらいです。しかし、そこに写っていた白髪のシリキット王太后はもはや国民が抱いているイメージと違ってしまっているのかもしれません。このことは示唆に富みます。第2次世界大戦の勃発から祖国の目覚ましい経済成長を見つめてきた歴史の生き証人でもあるシリキット王太后は、今年(2023年)8月に91歳を迎えられました。