仙台市立荒浜小学校付近の偽ポスト

東日本大震災から13年となった3月10日から11日にかけて東北地方を訪れました。元々は10日に仙台に用事があったので(これも震災絡みではあるのですが)、一泊して震災に関する場所をいくつか訪問することにしました。

まずは3月10日、仙台駅から電車とバスを乗り継いで30分程度で到着する、旧・仙台市立荒浜小学校を訪れました。荒浜という地名のとおり海に近い場所で、震災当時は津波が押し寄せ小学校の2階付近まで浸水しましたが、児童や教職員に付近の住民が最上階や屋上に避難したことで難を逃れた場所で、ニュース等でご存じの方もいらしゃると思います。2017年より震災遺構として公開されており、改めて当時の被害状況を目の当たりにしてきました。

さてこの荒浜小学校をさらに海の方面に歩いていくと左手にこんな私有地が見えてきます。

そこには『偽ポスト』なる不思議なものが設置されていました。震災の悲しみのメッセージを送るというもので、もう連絡が取れない人への思いを書いて投函することができます。もちろん日本郵便によるものではありません。ポストの性格上、その手紙が相手に届くことはありませんが、しかし思いの丈を紙にしたためてポストに投函するだけでも気持ちの整理に多少は効果があるのかもしれません。手紙の良さを訴える良い試みとも思うのですが、香川県三豊市にある『漂流郵便局』なども然りで、日本郵便だとこういう『宛先のはっきりしない郵便物』を取り扱う企画はできないのかもしれません。

これは事前情報なく、たまたま見かけたのでビックリしました。こういうのに偶然出くわすこともあるので、やはり遠出はするべきですね。

さらに足を伸ばして太平洋の見える砂浜まで行ってみました。震災以降は海水浴場としての使用はされておらず、立入禁止ではありませんが遊泳は厳禁です。この日の海はあの時と違って穏やかで…と言いたいところですが、ちょっと波が高かったかもしれません。