ウクライナ郵政は2017年より第9次普通切手・『市章』シリーズの発行を開始し、2022年の第10次『イースターエッグ』シリーズの開始をもって終了しました。市章シリーズは途中で変更を重ねながら、全部で21種類の意匠で発行されました。ただしウクライナの普通切手には発行年が印字されているので、同一の額面、意匠であっても発行年による区別がつき、これも含めると種類は更に増えます。しかも同一の発行年でも例えば2017年だと『2017』『2017-II』『2017-III』という3種類が存在するなど、正直もう勘弁してほしい仕様となっています。
さて、2024年1月22日に市章シリーズの切手を集めた切手シートが発行されました。ところがこれには19種類しか切手が入っていません。クリミア自治共和国のヤルタとチェルカースィ州のゾロトノシャは額面がVですが、VとZがロシア軍を意味するという理由から2022年の侵略戦争開始をもって両者を無額面切手から廃止したため、無効のバツ印がついておりタブ扱いとなっています。なお額面がZの切手は元から本シリーズにはありません。
シート全体の額面の合計は、ウクライナの無額面切手のシステムが複雑かつ最新事情がわからなさすぎて確認ができません。ユーロ圏における売価は23ユーロでしたが、これは明らかに19種切手の合計額よりも上です。
今回のシートに含まれる切手はもちろん全部2024年銘なので、市章シリーズは細かな違いも含めれば全部で79種類くらいとなりました(←この数字も自信がない)。
参考までに市章シリーズの額面-都市名-発行年は以下のとおりですが、発行年はこれで完璧ではないかもしれません。★は今回のシートに含まれていることを示しています。
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- V Yalta 2017/17-II/17-III/18/19/19-II
- M Klesiv 2017/17-II/17-III/18/18-II/19/19-II/24★
- L Yenakiieve 2017/17-II/18/24★
- F Nizhyn 2017/17-II/17-III/18/18-II/19/19-II/24★
- T Chop 2017/17-II/17-III/18/18-II/19/24★
- H Marynyn 2017/17-II/17-III/18/24★
- X Shatsk 2017/17-II/18/18-II/19/24★
- P Parutyne 2017/18/19/24★
- D Lokachi 2018-II/19/24★
- T Burshtyn 2020/20-II/24★
- H Merchik 2020/24★
- D Kryvche 2020/24★
- M Fontanka 2020/24★
- V Zolotonosha 2020/20-II
- F Tetiiv 2020/24★
- H Bolhrad 2021/24★
- M Koropets 2021/21-II/24★
- D Bakhmut 2021/22/24★
- F Kremenchuk 2021/22/24★
- T Komarno 2021/24★
- H Bohodukhiv 2022/24★